即時振込とは?モアタイムシステムの仕組みやメリット・デメリットを解説
即時振込とは、土日・祝日や夜間を問わず24時間365日、振込手続完了とほぼ同時に振込先の口座へ入金が反映される仕組みのことです。2018年に全国の金融機関で導入された「モアタイムシステム」によって実現したこの仕組みは、個人の利便性向上はもちろん、企業の資金移動や経理業務のあり方も大きく変えました。
一方で、対応していない金融機関があることや、振込間違い時のキャンセルが難しいといった注意点も存在します。
この記事では、即時振込を実現するモアタイムシステムの仕組みや、メリット・デメリット、企業における活用シーン、さらに振込業務の自動化を実現するサービスについて解説します。
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この記事でわかること
- ・即時振込の仕組みと基本的な考え方
- ・即時振込によって得られる4つのメリット
- ・利用前に押さえておくべき3つのデメリット
- ・即時振込の活用シーンと振込業務を効率化する方法
目次
「モアタイムシステム」と「コアタイムシステム」の違い
即時振込とは、銀行振込の24時間365日化を実現した仕組み
即時振込とは、土日・祝日や夜間を問わず、24時間365日いつでも振込手続きを行い、振込先の口座へほぼリアルタイムで資金を移動できる仕組みです。
従来の銀行振込では、平日の限られた時間帯しか当日扱いになりませんでした。しかし、2018年に「モアタイムシステム」と呼ばれる金融機関共通のシステムが稼働したことで、平日夜間や土日・祝日でも即時振込が利用できるようになりました。
これにより、企業においても「急な取引先への支払い」や「休日中の入金確認」などが可能となり、ビジネスシーンにおける資金管理の柔軟性が向上しています。
「モアタイムシステム」と「コアタイムシステム」の違い
金融機関の振込システムは、「モアタイムシステム」と「コアタイムシステム」の2つで構成されています。
コアタイムシステムは、平日8時30分から15時30分までの時間帯に稼働する従来の振込システムです。この時間帯に行われた振込は、即時に処理されます。
一方、モアタイムシステムは、コアタイム以外の時間帯をカバーするために構築されたシステムです。平日15時30分以降や土日・祝日の振込処理を担っており、コアタイムシステムと連携することで、24時間365日の振込サービスを実現しています。
即時振込の4つのメリット
即時振込は、お金を受取る側だけでなく、送金をする側にもメリットがあります。ここでは、主なメリットを4つ紹介します。
夜間や土日・祝日でもリアルタイムで振込できる
即時振込を利用すれば、従来の「平日15時30分まで」などの時間的な制約がなく送金できるため、柔軟な資金移動が可能です。
急な仕入れ代金の支払いや取引先への緊急送金が必要になった場合でも、すぐに対応できるため、ビジネスのスピードを損なわずに済むでしょう。
また、自社への入金状況も曜日や時間を問わず確認できるため、入金を確認してから商品発送やサービス提供をする場合には、提供までの期間も短縮できます。
経理業務を効率化できる
即時振込に対応していれば、平日の15時30分以降や休日に行われた振込の確認を、翌営業日まで待つ必要がありません。入金消込作業の時間帯を制限されず、スムーズに進められるため、経理業務の効率化が図れます。
また、振込データがすみやかに反映されることで、月末や五十日(ごとおび)など業務が集中する時期の負担を分散しやすくなる点もメリットです。
資金繰りの改善につながる
金曜日の夕方や週末に発生した売上金や入金も、翌営業日を待たずに口座へ反映されます。資金を早期に確保できるため、仕入れ代金の支払いや運転資金への充当など、必要な用途に迅速に活用できます。
その結果、手元資金に余裕が生まれやすくなり、資金繰りの安定にもつながります。
顧客満足度の向上や他社との差別化が期待できる
買取サービスや返金対応などにおいては、利用者に迅速に送金できるため、顧客満足度の向上や、入金の遅れによるクレームの防止が期待できます。
「手続き後すぐに入金される」という利便性は利用者にとってメリットになるため、サービスの付加価値や競合他社との差別化にもつながるでしょう。
即時振込の3つのデメリット
利便性の高い即時振込ですが、利用する際にはいくつか注意点もあります。ここでは、事前に知っておきたい3つのデメリットを紹介します。
即時振込に対応していない金融機関もある
モアタイムシステムに参加していない一部の金融機関では、即時振込を利用できない場合があります。また、金融機関のシステムメンテナンス中は、即時振込が適用されず翌営業日の扱いとなることもあります。
振込のタイミングが重要な取引では、振込先の金融機関が即時振込に対応しているかを事前に確認しておくと安心です。
即時振込には手数料が発生する場合がある
利用する金融機関やサービスによっては、通常の振込手数料に加えて、時間外取引に関する手数料が発生する場合があります。
特に法人では振込件数が多くなる傾向があるため、手数料体系によってはコスト負担が大きくなる可能性があります。利用前に手数料の有無や金額を確認しておきましょう。
振込間違い時のキャンセル(組戻し)が難しい
即時振込は、手続完了後すぐに相手口座へ着金するため、口座番号や振込金額を誤って入力した場合でも、簡単に取り消すことはできません。
誤送金が発生した場合は、金融機関を通して返金を依頼する「組戻し(くみもどし)」の手続きが必要になります。ただし、手数料が発生するほか、相手方の状況によっては返金まで時間がかかることもあります。そのため、振込時に口座情報や金額を十分に確認することが大切です。
即時振込が役立つシーン
即時振込は、さまざまなビジネスシーンで活用されており、新たなサービス価値の創出にもつながっています。ここでは、代表的な活用シーンを4つ紹介します。
求人紹介サービス企業の「給与即時払い」
即時振込を活用すれば、単発バイトや日雇い派遣などで、勤務終了後すぐに給与を振り込むことが可能です。
給与をすぐに受取れる環境は、求職者にとって大きな魅力です。土日・祝日の勤務に対しても迅速に支払えるため、人材確保や応募促進の面でも効果が期待できます。
福利厚生の一環として「給与前払い」
従業員が急な出費を必要とした際に、給与日を待たず働いた分の給与を受取れる「給与前払い制度」の導入にも即時振込は活用されています。
平日の夕方以降や、土日・祝日の申請にも対応しやすくなるため、従業員の利便性向上につながります。福利厚生の充実や従業員満足度の向上を図りたい企業にとって、有効な施策の一つといえるでしょう。
ファクタリング(売掛債権買取)の即時振込
資金繰りに悩む企業やフリーランスが売掛金を早期に現金化するファクタリングでは、審査完了後に即時振込を行うサービスが増えています。
土日・祝日や夜間でも迅速に資金を受取れるため、「すぐに資金が必要」という利用者のニーズに応えやすくなります。サービスの利便性向上や利用者満足度の向上にもつながるでしょう。
キャッシュバックなどの即時振込
キャッシュバックキャンペーンや懸賞の当選金、ポイントの現金化などを、申込者の申請後すぐに振り込む用途にも活用できます。
受取りまでの待ち時間が短縮されることで、利用者の満足度向上が期待できます。スムーズな受取り体験は、サービスの継続利用の促進にもつながるでしょう。
即時振込を大量に処理するなら振込業務の自動化も有効
即時払いの件数が増えるほど、手作業による振込処理や確認作業の負担は大きくなります。そのため、即時振込を活用したサービスを提供する企業では、振込業務の自動化を検討するケースも少なくありません。
セブン銀行の「リアルタイム振込サービス」は、自社システムとAPI連携することで、24時間365日の即時振込を自動で実行できるサービスです。
例えば、給与即時払いや給与前払い、ファクタリング代金の支払いなどにおいて、利用者からの申請や審査完了をきっかけに、自動で振込処理を行うことができます。
また、定期メンテナンスによる停止時間がないため、夜間や休日を含めて安定した振込処理が可能です。「リアルタイム振込サービス」を活用すれば、振込業務の負担軽減や運用効率化を図りながら、即時振込をサービスに組み込めるでしょう。
即時振込を活用してサービスの利便性を高めよう
即時振込とは、土日・祝日や夜間を問わずリアルタイムで振込できる仕組みです。夜間や休日の振込対応、経理業務の効率化、顧客満足度の向上など、企業にさまざまなメリットをもたらします。
一方で、対応していない金融機関の存在や手数料の発生、振込間違い時のキャンセルの難しさといった注意点もあるため、導入前に確認しておくことが大切です。
また、給与即時払いやファクタリングなど、即時振込を活用したサービスでは、振込件数の増加に伴って運用負荷が高まる場合があります。そのため、セブン銀行の「リアルタイム振込サービス」のように、API連携によって振込業務を自動化できる仕組みを活用することも有効です。
振込業務の効率化やサービス運営の負担軽減を検討している方は、ぜひ「リアルタイム振込サービス」をご確認ください。
よくある質問
振込の当日扱いは何時まで?
振込が当日扱いとなる時間帯は、利用する金融機関やサービスによって異なります。
従来のコアタイムシステムでは、金融機関の一般的な営業時間である「平日9時~15時まで」が当日扱いの目安でした。一方、モアタイムシステムに対応している金融機関では、この時間帯を過ぎても、土日・祝日を含めてリアルタイムで振込が反映されます。
ただし、振込先の金融機関がモアタイムシステムに対応していない場合や、システムメンテナンス中は翌営業日扱いとなることがあります。
即時振込に対応している銀行は?
即時振込は、モアタイムシステムに参加している金融機関で利用できます。
メガバンクや多くの地方銀行、ネット銀行など幅広い金融機関が、モアタイムシステムに対応していますが、一部の金融機関や信用組合などでは利用できない場合もあります。
対応状況は変更されることがあるため、利用前に各金融機関の公式サイトなどで確認しましょう。
即時振込の反映はどれくらいかかる?
モアタイムシステムに対応している金融機関同士であれば、振込手続完了後、原則としてほぼリアルタイムで口座に反映されます。
ただし、振込先の金融機関がモアタイムシステムに対応していない場合や、システムメンテナンス中などの場合は、翌営業日以降の反映となることがあります。