経営方針、経営環境
および課題等

行動憲章

セブン銀行は、事業活動を展開するにあたって、「銀行は高い公共性を有し、広く経済・社会に貢献していくという重大な責任を負っている」と認識すると共に、法令を遵守し、経済・社会倫理に従って行動するという観点をも深く認識し、この実現のために不断の努力を払うことを誓うと共に、さらに不退転の決意を示すべくここに行動憲章を定めることとする。

公共的使命と社会的責任

銀行のもつ公共的使命の重みを常に認識し、経営の自己責任に基づく健全経営に徹し、その社会的責任を全うすることで社会からのゆるぎない信頼の確立を図ります。

お客さま第一主義の実践

常にお客さまの立場に立って誠意をもって接することを心がけて行動します。そして、お客さまや経済活動を支える金融インフラの安定性と安全性を確保し、環境変化や多様化するお客さまのニーズに応えるとともに、お客さまの利益の適切な保護にも十分配慮した質の高い金融サービスを提供します。

誠実・公正な行動

法令およびその精神を遵守し、社会的規範にもとることのないよう行動は常に誠実かつ公正を旨とします。そして、取引先との関係においては公正性と透明性を確保し、行政とは健全かつ正常な関係を構築、維持します。

持続可能な社会実現への貢献

良き企業市民として、地域社会および国際社会との共生と環境・社会課題の解決に取組み、持続可能な社会の実現に貢献していきます。また、経営情報の積極的かつ公正な開示をはじめとして、社会とのコミュニケーションを密にして、ステークホルダーの期待や要請を知り、自らの企業価値の向上を図ります。

人権の尊重

人権に関する国際的な規範を遵守し、役員・社員には理解・認識向上のための教育を行います。また、差別的な取扱いは行わず、雇用における機会均等に努め、さらに、お取引先に対しても、人権に配慮した形で事業が行われるように注意を払い、いかなる児童労働・強制労働・懲罰も認めません。

多様性の尊重と働きがいの向上

役員・社員の多様性や個性を尊重した能力開発とキャリア形成の支援を行います。異動・昇進・評価・処遇に当たっては、差別のない公平・公正な基準に基づいて行い、働きがいを感じられる活力ある企業風土を醸成します。また、社員の健康と安全に配慮した働きやすい職場環境を確保します。

反社会的勢力との関係遮断、テロ等の脅威への対応

市民社会の秩序や安全に脅威を与える反社会的勢力とは断固として対決し、関係遮断を徹底します。また、マネー・ローンダリングおよびテロ資金供与やサイバー攻撃、金融犯罪などの対策を徹底し、銀行としての責務を全うします。

経営環境及び対処すべき課題等

本項においては、将来に関する事項が含まれておりますが、当該事項は、別段の記載がない限り、当連結会計年度(2025年度)末において判断したものであります。

経営環境

当社グループを取巻く事業環境は国内外における物価や金利の上昇、デジタル技術進展に伴う決済手段の多様化や異業種の金融事業への新規参入、環境・社会課題への意識の高まり等、急速に変化しております。これまで以上に社会の変化、お客さまのニーズの多様化を敏感に捉え、技術革新の成果をスピーディーに取り入れた柔軟な経営が求められていると認識しております。
加えて格差拡大、気候変動等の社会課題が顕在化・深刻化しており、企業も社会を構成する一員として、その解決に対し、これまで以上に真摯に向き合う時代を迎えております。

中長期的な経営戦略

当社グループは、“お客さまの「あったらいいな」を超えて、日常の未来を生みだし続ける。” ために存在します。この存在意義に基づきセブン銀行はお客さまの生活に寄り添い「近くて便利」、「信頼と安心」を実現するユニークな銀行として、持続的な成長を目指してまいります。
当社グループが持続的に成長するための指標として、3か年見通しを公表しております。この3か年見通しでは、トップラインの向上と、利益率・効率性の向上の両面から、連結経常収益及び連結経常利益拡大に重点を置いた施策を推進してまいります。

対処すべき課題

当社グループは、環境変化を更なる変革と飛躍のチャンスと捉えており、以下の課題に対処することにより、当社グループの持続的成長を実現し、お客さまや社会に必要とされる企業であり続けたいと考えております。

<国内事業(銀行業その他)セグメント>

■ ATMプラットフォーム戦略

当社の中核事業であるATMプラットフォーム事業は、キャッシュレス化の進展等により、大きな転換点を迎えておりますが、従来から取り扱ってきた金融機関の現金入出金取引に加え、各種キャッシュレス決済の現金チャージ取引が増加したことなどにより、当社のATM年間総利用件数は今なお増加を続けております。当社は、決済環境の変化は新しいATMサービスが生まれるチャンスであるとの認識のもと、デジタル化、キャッシュレス化の流れの中でも、リアルとバーチャルの貴重な接点として、引続きATMを通じて、お客さまに安心で便利なサービスを提供する取組みを続けてまいります。
なお、2019年9月より当社が入替を進めてきた第4世代ATMは、2025年3月末を以て、全台の入替が完了しております。第4世代ATMでは、新たに実装した機能(本人認証機能、スキャニング機能等)を活用して金融機関などの手続きを行えるサービス「+Connect (プラスコネクト)」を提供しており、そのサービス数は徐々に拡大しております。当社は引続き、提携先拡大及び提供サービスの拡充を図り、当社ATMがサービスプラットフォームとして、あらゆる手続き・認証の窓口となる世界の実現を目指してまいります。
また、2026年3月には株式会社ファミリーマートとATM設置契約を締結いたしました。日本全国のファミリーマート店舗へのATM設置は2026年初夏より順次開始し、4年程度で約16,000台の設置を行う予定です。当社は、ATMネットワークの拡大を通じて、更なる成長を追求してまいります。

■ リテール戦略

金融リテール分野では、キャッシュレス化の進展による生活様式・決済体験の変化や、非金融系企業の金融事業への新規参入などによる競争環境の激化が進んでおります。このような中、当社は最短10分で即時口座開設が可能な銀行口座や、原則24時間365日全国の当社ATM等でお借入れ・ご返済が可能な個人向けカードローンなど、親しみやすくユニークな金融サービスを開発・提供する取組みを今後も拡大してまいります。
また、日本国内における外国人居住者の増加を背景に、当社は、当社ATMでの口座開設申込みやセブン銀行海外送金サービス、当社ATMを介した海外送金事業者との協業といった強みを活かしながら、外国人居住者に使っていただきやすい金融サービスを提供することで、誰もが暮らしやすい社会を目指し、多文化共生の実現に貢献してまいります。

■ 法人戦略

当社が創業以来蓄積し、強みとしている銀行品質の事務処理能力や安心・安全な資金管理・資金移動の仕組み、不正対策などのセキュリティの高いテクノロジーについて、金融機関や一般事業者に提供するサービスの拡大を図ってまいりました。昨今、進化するDXの技術をいち早く取り入れ、外部事業者とも協力しながら事業規模の拡大に努めてまいります。

<クレジットカード・電子マネー事業セグメント>

当社連結子会社である株式会社セブン・カードサービスは、クレジットカード「セブンカード・プラス/セブンカード」と電子マネー「nanaco」を発行・運営し、お客さまの毎日の便利を支えております。今後は、セブン銀行の金融リテール事業との連携を深化させていくことで、両社が培ってきたノウハウ・専門性を統合・拡充し、「ふだんの暮らし」に密着した金融サービスの提供に挑み続けてまいります。

<海外事業セグメント>

米国では、高水準の政策金利やインフレの進行により資金調達コストや運営コストが増加しておりますが、ATMオペレーションの最適化に取組むことで、さまざまなコスト削減策を講じております。また、現在米国セブン‐イレブン店舗に設置している約8,500台のATMに加えて、新たにSpeedway店舗等へのATM設置を開始しており、全米でのATMネットワークをさらに強固なものとしてまいります。さらに、この強固なATMネットワークを基盤としながら米国セブン‐イレブンとの協業を拡大し、小売と金融を組み合わせた独自の金融サービスを提供することで、米国市場での顧客基盤の強化と事業の多角化を目指してまいります。
アジアでは、インドネシア・フィリピンの2カ国で、積極的なATM設置により、両国ともに国内最大規模のATM運営事業者に成長いたしました。
また、2025年1月からは、マレーシアにおいてもATM運営事業を開始し、ATM設置を進めております。
今後は各国におけるATMネットワーク網を引続き強化するとともに、ATMを入口とした多層的な金融サービスの実現にも取組んでまいります。

当社グループは、創業以来、事業活動を通じて社会課題・環境問題の解決に取組んでまいりました。常にお客さまの想いに寄り添い、真摯に対応する姿勢はこれからも変わりません。これからも、“お客さまの「あったらいいな」を超えて、日常の未来を生みだし続ける。” というパーパスの実現に向けて、多様なステークホルダーの皆さまとともに、豊かな社会と地球の未来に貢献してまいります。