重点課題1:安心・安全な決済インフラの提供

セブン銀行が考える社会の変化と課題

近年、日本の金融環境は大きく変化し、技術革新による様々なデジタル決済が拡大する一方で、高度化・巧妙化が進む金融犯罪やセキュリティへの不安が生じています。また、金融機関の窓口やATMの減少、多発する災害時における決済(現金不足)への不安も生じています。セブン銀行は、万全なセキュリティ体制と、災害などの緊急時でも安心してご利用いただける社会インフラとしての役割を担うことが重要だと考えます。

  • 疑わしい取引の届出受理及び提供件数
    • 注1:届出受理件数とは、国家公安委員会・警察庁が届出を受理した件数である。
    • 注2:提供件数とは、国家公安委員会・警察庁が捜査機関等へ提供した疑わしい取引の届出に関する情報の件数である。
    • 出典:犯罪収益移転防止に関する年次報告書(平成30年)をもとに作成

セブン銀行の変化と課題への姿勢

セブン銀行は、様々な新しい決済サービスに対して、創業より培ってきた知見を活かすとともに、技術革新の成果を積極的に取入れ、安心かつ効率的な決済インフラを提供してまいります。加えて、金融機関をはじめとするステークホルダーとの協働により、時代の変化に則した、安心・安全な金融基盤を整備し、我が国の金融システムの安定と発展に貢献します。

SDGsへの貢献

この重点課題に取組むことで、セブン銀行は決済インフラの提供による安心・安全な社会基盤づくりを通じ、持続可能な開発目標(SDGs)9、11、16の達成に貢献します。

セブン銀行の主な取組み

安心・安全を追求した ご利用環境の整備

ATMの安定稼働のために

万が一の故障や不具合が発生した場合でも、お客さまがATMを問題なくご利用いただけるように、スピーディーに復旧できる万全の態勢を整えています。

  • 通常時

    システム拠点を二重化

    災害などでお取引きができなくなるような事態を避けるため、ネットワークの根幹をなす中継システムや、お客さまからのお問合せ窓口となるATMコールセンター、コンタクトセンターを首都圏と大阪に設置しています。東西両方を常時稼働させ、一方にトラブルが発生した場合、もう一方で業務を継続できるよう態勢を整えています。

    ATM内現金のモニタリング

    パートナー企業である警備会社と連携してATM一台ごとに利用状況のモニタリングを行い、現金切れなどによるサービスの停止を防いでいます。また、個々の利用に応じたタイミングで現金の補充や回収を行い、作業による停止時間を必要最小限に抑えています。

    セキュリティ対策

    提携金融機関等とセブン銀行との通信には、データを暗号化するなどして、万全のセキュリティ対策を施しています。

    勘定系システムに「東阪交互運用方式」を導入

    2018年より、勘定系システムについて、東京・大阪の両データセンターの基幹サーバーを交互に本番機とする運用を開始しました。従来の本番機とバックアップ機を分けての運用から、定期的に本番機を入替える運用に変更することで、BCPの高度化と24時間365日無停止連続運転が可能となりました。

  • 緊急時

    故障・不具合等発生時の対応

    パートナー企業と連携し、すべてのATMやネットワークをリアルタイムで管理しています。故障・不具合の発生や、ATMに対する物理的な衝撃を検知すると、自動的にシグナルが送られるようになっており、スピーディーかつ的確な対応が可能となっています。

    停電時の対応

    取引中に停電が発生した場合でも取引きが正常に完了できるよう、ATMにUPS(無停電電源装置)を搭載しています。ATMが停止した後もインターホンによるお問合せや警備機能を維持することで、万が一の停電時も安心・安全にご利用いただけるよう努めています。

    災害時の業務継続

    大規模災害や事故発生時でも業務を継続できるよう、BCP(業務継続計画)を作成しています。首都圏と大阪のどちらかが被災した場合は、もう一方が単独で業務を継続できるよう、さまざまな機能を二重化しています。

セブン銀行のシステムネットワーク

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  • 中継システム:提携金融機関等へのATM取引きの中継およびATM運用管理業務を行ううえで必要なデータを各外部拠点と連携するシステム。
  • 勘定系システム:普通預金やローンサービスなどのセブン銀行の口座サービスを提供しているシステム。
  • 統合ATM:都市銀行や地方銀行など、業態の異なる金融機関のATMを相互接続するためのシステムネットワーク。
  • 全銀システム:国内にある銀行間の振込などの取引きに関するデータの交換および資金決済を行うシステム「全国銀行データ通信システム」の略称。銀行や信用金庫など、日本のほぼすべての民間金融機関が参加。

だれもが安心して使えるATM機能

セブン銀行ATMは、いつでもご利用いただけ、だれもが使いやすく、安心であることを目指しています。

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プライバシー保護の取組み

セブン銀行ATMは、背後の確認ができる「後方確認ミラー」を設置し、「覗き見防止の特殊フィルム」をはることで、暗証番号や金額を入力する際に周囲から表示画面が見られないようにし、だれもが安心・安全にお取引きいただけるように努めています。

取り忘れカードへの安全対策

お取引後にカードをお取り忘れになると、ATMを離れようとするお客さまに呼びかけます。それでもお戻りにならないときは、ATMの中に自動でカードを引き込み、ATM内で安全に保管します。お客さまがお戻りの際、ATM備付けのインターホンを介し、コールセンターで本人確認ができれば、その場でカードをお返しいたします。

時代の変化に対応した「第4世代ATM」

顔認証技術やAIなどの新技術を搭載し、社会とお客さまのニーズの変化に対応した新型ATM『第4世代ATM』

ライフスタイルの変化、スマートフォンの普及、決済手段の多様化など、時代の変化に対応した第4世代ATMの導入を2019年9月より開始いたしました。
第4世代ATMは、顔認証による本人確認やQRコード※読取りに対応し、現金入出金を主とした従来からのATM取引に留まらない、多機能型プラットフォームとして、新たなサービス、新たなATM利用スタイルの可能性を飛躍的に広げます。
また、AI等を活用した現金の需要予測の高度化や各種部品の故障予測を行い、更なる運営の効率化を目指します。

  • ※ QRコードは株式会社デンソーウェーブの登録商標です。

時代の変化に対応した「第4世代ATM」

金融犯罪を防ぐために

金融犯罪防止に向けた対応

安心・安全な決済環境の確保において、巧妙化し続ける金融犯罪への継続的かつ実効性のある対策は欠かせません。

セブン銀行では、ATMやインターネットを通じた非対面取引による金融サービスを提供していることから、セキュリティや被害未然防止の重要性を強く認識し、お客さまに安心してお取引きいただくためのさまざまな対策を講じています。

ATMにおける対応

ATMには暗証番号や金額入力ボタンの覗き見防止対策を実施しています。振り込め詐欺被害を未然に防ぐため、ATMでお振込をされる際には、画面表示や音声での注意喚起も行っています。また、ATMに取付けられた不審物や異常取引の検知、カード情報の不正取得被害(スキミング被害)への対策も常時行っています。その他、国際基準に則ったICカード対応や、不正使用を検知できるシステムを導入し、犯罪の拡大を防止しています。

セブン銀行口座における対応

セブン銀行口座の犯罪利用を防止するため、口座開設受付時における法令に基づく取引時確認の徹底等により、不正口座への対策を強化しています。
また、口座開設以降も、インターネットによる取引きを狙った犯罪等に以下の対策を実施しています。

個人のお客さま

  • インターネットバンキングでのスマートフォン認証※1を導入しています。また、専門部署にて取引状況やアクセス状況のモニタリングを多層的に行い、被害未然防止に努めています。また、スマートフォンアプリ「Myセブン銀行」のご利用にあたっては、パスコードによる認証だけでなく、端末認証※2を導入することで、より安全性を高めています。

法人のお客さま

  • 複数名による承認機能やワンタイムパスワード※3の導入等、より安心してご利用いただけるようセキュリティ対策の強化に取組んでいます。

スマートフォン認証を使った振込の流れ

  1. ※1 スマートフォン認証:インターネットバンキングで「新しい振込先への振込」などのお取引きをされる際に、スマートフォンの専用アプリから承認していただく認証方法。ご利用には登録手続きが必要です。万一、第三者にパスワード等が盗み取られた場合でも、不正な振込みを未然に防ぐことが可能です。
  2. ※2 端末認証:ログイン可能なスマートフォンを予め登録しておくことで、第三者による不正リスクを低減させます。
  3. ※3 ワンタイムパスワード:一度限り(一定時間限り)有効なパスワード。第三者による不正利用のリスクを低減させます。

金融機関のマネー・ローンダリング対策をサポート

セブン銀行の100%子会社 バンク・ビジネスファクトリー

金融犯罪手口の巧妙化により日々対策が求められているなか、セブン銀行では、不正口座対策で培ったノウハウを、株式会社バンク・ビジネスファクトリーに提供。同社にて、「取引モニタリング事務受託サービス」を2018年より開始しました。同サービスは、提携金融機関から提供される取引データに基づき、不審と思われる取引きを抽出し、定期的に報告。恒常的に追加対策が求められる金融犯罪対策について、各提携金融機関のニーズにお応えし、決済サービスの安全・安定化に貢献しています。

災害における支援

移動ATMの派遣

2011年3月の東日本大震災後、ATMの営業再開に相応の時間が必要な地域へ移動ATM車両を派遣しました。

2015年10月から2016年3月には、東京電力福島第一原子力発電所事故による避難指示区域に指定されている福島県の葛尾村へ定期的に移動ATM車両を派遣し、地域の復興支援を行いました。

パートナー企業との連携

提携金融機関等とのかかわり

セブン銀行は創業以来、ATMをご利用されるお客さまに「いつでも、どこでも、だれでも、安心して」使えるATMサービスを提供すると同時に、提携金融機関等にもさまざまな価値を提供してきました。セブン銀行のATMネットワークのインフラや運営・管理ノウハウを提供し、提携金融機関等におけるATM運営・管理負担の軽減とお客さまの利便性向上に寄与し、強い信頼関係を築いてきました。そして提携金融機関等の課題やニーズを汲み取り、より便利にご活用いただけるよう、主要国際ブランドの海外発行カードや各種電子マネー、さらにはQR・バーコード決済等の新たな決済サービスの取扱いを可能にし、セブン銀行独自の付加価値を日々進化させています。

加えて、セブン銀行が不正口座対策で培ったノウハウを連結子会社である株式会社バンク・ビジネスファクトリーに提供し、同社にて行っている金融機関向けの事務受託サービスの提供に加え、マネー・ローンダリング対策のサポートを新たに実施し、金融業界全体における社会課題解決へ貢献する取組みを行っています。

パートナー企業:ATMメーカーとのかかわり

セブン銀行のATMは、パートナーであるメーカーと共同で開発・製造を行っています。シンプルで高機能な独自のATMを開発・製造するため、お客さまの立場にたって考え、まだ形になっていないニーズ、セブン銀行の想いを共有し、コンセプトの段階からともに検討を重ね実現を可能にしています。

ATMは、パートナー企業の国内工場で組み立てられ、セキュリティや作業効率等を確認するために、セブン銀行の役員および社員による視察を予告なしで定期的に行っています。

また、ATM内蔵センサーによる障害予兆から予防保守を行うと同時に、必要に応じて適時点検を実施することにより、障害を未然に防いでいます。万が一、予期せぬトラブルでATMのメンテナンスが必要になった場合は、停止時間を最小限に抑制するためにパートナー企業から保守担当者が出向き、復旧の対応を行います。

パートナー企業:警備会社、コールセンターとの連携

セブン銀行のATMは原則24時間365日、休むことなく稼働しています。誰もが安心して利用できる環境を提供するためには、ATMの障害対応から機械警備、警備輸送までを行う、高い専門技術を持ったパートナー企業との連携が不可欠です。

警備会社とはATMの利用パターンに応じた現金需要から、ATM内の適正な現金量を予測し効率的な運用を協力して行い、停止回数・時間を最小限に抑えています。さらに、より高度化された現金需要予測を実現すべくAIを活用しています。

また、コールセンターでは24時間365日ATMを監視し、障害が発生したATMに対する復旧を遠隔操作で行っています。復旧ができないATMには、コールセンターから警備会社へ出動指示を行い、パートナー企業が連携して早急なATM復旧に努めています。

こうしたパートナー企業との協働により、セブン銀行ATMの稼働率は99.98%を実現しています。