重点課題1

安心・安全な
決済インフラの提供

SDGsへの貢献
  • 産業と技術革新の基盤をつくろう
  • 住み続けられるまちづくりを
  • 平和と公正をすべての人に

この重点課題に取組むことで、セブン銀行は決済インフラの提供による安心・安全な社会基盤づくりを通じ、持続可能な開発目標(SDGs)9、11、16の達成に貢献します。

セブン銀行が考える社会の変化と課題

近年、日本の金融環境は大きく変化し、技術革新による様々なデジタル決済が拡大する一方で、高度化・巧妙化が進む金融犯罪やセキュリティへの不安が生じています。また、金融機関の窓口やATMの減少、多発する災害時における決済(現金不足)への不安も生じています。セブン銀行は、万全なセキュリティ体制と、災害などの緊急時でも安心してご利用いただける社会インフラとしての役割を担うことが重要だと考えます。

セブン銀行の変化と課題への姿勢

セブン銀行は、様々な新しい決済サービスに対して、創業より培ってきた知見を活かすとともに、技術革新の成果を積極的に取入れ、安心かつ効率的な決済インフラを提供してまいります。加えて、金融機関をはじめとするステークホルダーとの協働により、時代の変化に則した、安心・安全な金融基盤を整備し、我が国の金融システムの安定と発展に貢献します。

安心・安全を追求したATM

ATMの安定稼働のために

セブン銀行ATMは原則24時間365日、休むことなく稼働しています。誰もが安心して利用できる環境を提供するためには、ATMの障害対応から機械警備、警備輸送まで行う、高い専門技術をもった事業パートナーとの連携が不可欠です。ATMは設置している場所によって、出金が多く現金切れの可能性が高くなるATMもあれば、入金が多くATM内に現金が溜まりやすいATMもあります。このようなATM1台ごとの利用パターンと稼働状況を警備会社と協力して分析し、現金補充のタイミングを利用パターンに応じて設定することで、停止回数・時間を最小限に抑えています。

通常時
■ システム拠点を二重化
災害などでお取引きができなくなるような事態を避けるため、ネットワークの根幹をなす中継システムや、お客さまからのお問合せ窓口となるATMコールセンター、コンタクトセンターを首都圏と大阪に設置しています。東西両方を常時稼働させ、一方にトラブルが発生した場合、もう一方で業務を継続できるよう態勢を整えています。
■ セキュリティ対策
提携金融機関等とセブン銀行との通信には、データを暗号化するなどして、万全のセキュリティ対策を施しています。
■ 勘定系システムに「東阪交互運用方式」を導入
2018年より、勘定系システムについて、東京・大阪の両データセンターの基幹サーバーを交互に本番機とする運用を開始しました。従来の本番機とバックアップ機を分けての運用から、定期的に本番機を入替える運用に変更することで、BCPの高度化と24時間365日無停止連続運転が可能となりました。
緊急時
ATMコールセンターでは、24時間365日、ATMを監視し、障害が発生したATMに対して遠隔操作で復旧を行っています。お客さまがATMを利用中に障害が発生した場合には、お客さまをお待たせすることがないように遠隔でキャッシュカード等を返却します。遠隔操作で返却ができない障害の場合には、ATMコールセンターから警備会社へ速やかに出動指示を行い、保守担当企業とも連携してお困りのお客さまに対して適切な処置と早急なATMの復旧を目指します。稼働率99.98%は、このような事業パートナーとの協働によって実現しています。
利用中に停電が発生した場合でも取引きが正常に完了できるようになっています。ATMにUPS(無停電電源装置)を搭載し、ATMが停止したあともインターホンによるお問合せや警備機能を維持することで、万が一の停電に備えています。

だれもが安心して使えるATM機能

セブン銀行ATMは、いつでもご利用いただけ、だれもが使いやすく、安心であることを目指しています。

音声ガイダンスサービス(目の不自由なお客さま向けサービス)

目の不自由なお客さまが一人でも安心してATMをご利用いただけるよう、「音声ガイダンスサービス」を提供しています。このサービスは、ATMに備付けのインターホンから音声案内が流れるというもので、案内どおりにボタン操作するだけで入出金や残高照会ができます。全国26,000台以上あるすべてのセブン銀行ATMでご利用いただけます。

インターホン(電話)の位置

プライバシー保護の取組み
セブン銀行ATMは、背後の確認ができる「後方確認ミラー」を設置し、「覗き見防止の特殊フィルム」をはることで、暗証番号や金額を入力する際に周囲から表示画面が見られないようにし、だれもが安心・安全にお取引きいただけるように努めています。
取り忘れカードへの安全対策

お取引後にカードをお取り忘れになると、ATMを離れようとするお客さまに呼びかけます。それでもお戻りにならないときは、ATMの中に自動でカードを引き込み、ATM内で安全に保管します。お客さまがお戻りの際、ATM備付けのインターホンを介し、コールセンターで本人確認ができれば、その場でカードをお返しいたします。

社会全体の安心・安全に貢献

金融犯罪防止に向けた対応

セブン銀行では、すべてのお客さまに安心してサービスをご利用いただけるよう、これまで培ってきた金融犯罪対策のノウハウや、全国27,000台以上のATMネットワーク、さらには、セブン銀行グループのITソリューション構築力等の知見を活かし、金融犯罪の未然防止に積極的に取組んでいます。

金融犯罪未然防止への取組み

昨今、金融機関や、金融サービスをお使いのお客さまを標的とした金融犯罪や不正取引の巧妙化・高頻度化が進んでいます。セブン銀行は、ATMを中心とした非対面取引を基本とする銀行としての特殊性を認識し、お客さまに安心してご利用いただけるよう、金融犯罪の未然防止とお客さまの財産保護に注力しています。具体的には金融犯罪対策の専担部署である金融犯罪対策部を設置し、社内各部署や子会社と連携して、お取引きのモニタリングやフィルタリング、SNS上での口座売買情報や不正利用情報の監視などを実施することで、アンチ・マネー・ローンダリングや不正利用口座の排除、特殊詐欺等の未然防止、警察等捜査機関等への適切な連携を行っています。

お客さまに安心してご利用いただくために

セブン銀行のATMでは暗証番号や金額入力ボタンの覗き見防止対策を実施しているほか、振り込め詐欺被害を未然に防ぐため、ATMでお振込みをされる際には、画面表示や音声での注意喚起を行っております。また、ATMに取付けられた不審物や異常取引の検知、カード情報の不正取得被害(スキミング被害)への対策も常時行っています。

警察、公的機関、提携金融機関等との連携

セブン銀行では、全国の警察や国税局、弁護士会などの公的機関からの要請に対し、ATM搭載カメラ画像や口座取引の照会など年間9万件以上の協力を行い、金融犯罪摘発に貢献したとして警察から感謝状をいただいています。
また、2022年8月には、セキュリティ業務を担う子会社のACSiONが、これまで培ってきた不正検知の技術などを評価され、警視庁と「サイバー犯罪共同対処協定書」を締結し、協力体制をより強化しています。
そのほか、現職警察官や提携金融機関の金融犯罪対策担当者の研修受け入れを実施するなど、外部とのリレーションを強化し、積極的にノウハウの相互活用や蓄積を図っています。

災害における支援

移動ATMの派遣

2011年3月の東日本大震災後、ATMの営業再開に相応の時間が必要な地域へ移動ATM車両を派遣しました。

2015年10月から2016年3月には、東京電力福島第一原子力発電所事故による避難指示区域に指定されている福島県の葛尾村へ定期的に移動ATM車両を派遣し、地域の復興支援を行いました。

パートナー企業との連携

提携金融機関等とのかかわり

セブン銀行は創業以来、ATMをご利用されるお客さまに「いつでも、どこでも、だれでも、安心して」使えるATMサービスを提供すると同時に、提携金融機関等にもさまざまな価値を提供してきました。セブン銀行のATMネットワークのインフラや運営・管理ノウハウを提供し、提携金融機関等におけるATM運営・管理負担の軽減とお客さまの利便性向上に寄与し、強い信頼関係を築いてきました。そして提携金融機関等の課題やニーズを汲み取り、より便利にご活用いただけるよう、主要国際ブランドの海外発行カードや各種電子マネー、さらにはQR・バーコード決済等の新たな決済サービスの取扱いを可能にし、セブン銀行独自の付加価値を日々進化させています。

加えて、セブン銀行が不正口座対策で培ったノウハウを連結子会社である株式会社バンク・ビジネスファクトリーに提供し、同社にて行っている金融機関向けの事務受託サービスの提供に加え、マネー・ローンダリング対策のサポートを新たに実施し、金融業界全体における社会課題解決へ貢献する取組みを行っています。

ATMメーカーとのかかわり

セブン銀行のATMは、パートナーであるメーカーと共同で開発・製造を行っています。シンプルで高機能な独自のATMを開発・製造するため、お客さまの立場にたって考え、まだ形になっていないニーズ、セブン銀行の想いを共有し、コンセプトの段階からともに検討を重ね実現を可能にしています。

ATMは、パートナー企業の国内工場で組み立てられ、セキュリティや作業効率等を確認するために、セブン銀行の役員および社員による視察を予告なしで定期的に行っています。

また、ATM内蔵センサーによる障害予兆から予防保守を行うと同時に、必要に応じて適時点検を実施することにより、障害を未然に防いでいます。万が一、予期せぬトラブルでATMのメンテナンスが必要になった場合は、停止時間を最小限に抑制するためにパートナー企業から保守担当者が出向き、復旧の対応を行います。