給与前払いサービスとは?2つの仕組みと選び方のポイントを解説
人手不足を背景にした採用競争の激化や、従業員の急な出費に対応する福利厚生ニーズの高まりから、「給与前払いサービス」の導入を検討する企業は少なくありません。給与前払いサービスの仕組みは、資金の出どころによって大きく「立替型」と「デポジット型」の2つに分かれ、それぞれ企業側の資金準備や手数料負担の傾向が異なります。
この記事では、2つの仕組みや前借りとの違い、導入するメリット、給与前払いサービスの選び方のポイントについても解説します。
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この記事でわかること
- ・「立替型」と「デポジット型」という給与前払いサービスの2つの仕組み
- ・まだ働いていない期間の給与を受取る「前借り」と「前払い」の違い
- ・求人応募数増加など、給与前払いサービスを導入する3つのメリット
- ・失敗しないための給与前払いサービスの選び方
目次
給与前払いサービスとは?
給与前払いサービスとは、従業員がすでに働いた分の給与を、本来の給料日を待たずに受取れるよう、企業に代わって前払い業務を代行するサービスのことです。
従業員から前払いの申請を受付けてから口座へ振り込むまでの一連の業務を専門の事業者が担うため、企業の経理担当者などが都度個別に対応する場合と比べて業務負担が少なく、緊急時にも即時対応しやすい特徴があるといえます。
近年は正社員だけでなく、アルバイトやパート、スポットワーカーなど多様な雇用形態の従業員を対象に導入する企業が増えています。
給与の「前払い」と「前借り」の違い
まだ働いていない期間の給与をあらかじめ受取るのが「前借り」であるのに対し、労働の対価としてすでに確定した賃金の支払い時期を早めるのが「前払い」です。
給与の前払いは、すでに提供された労働に対する賃金の支払いにあたるため、通常の賃金支払いとして扱うことができます。
一方、前借りは、将来の労働を条件に金銭を貸し付け、将来の給料と一方的に相殺する行為とみなされる可能性があり、取り扱いには注意が必要です。
給与前払いサービスの2つの仕組み「立替型」と「デポジット型」
給与前払いサービスの仕組みは、前払い資金の出どころによって、大きく「立替型」と「デポジット型(自社払い型)」の2つに分かれます。
どちらを選ぶかによって、企業側が事前に準備すべき資金の有無や、手数料の傾向が変わるため、仕組みの違いを理解した上で比較検討しましょう。
「立替型」の給与前払いサービスの特徴
立替型とは、従業員から前払いの申請があった際に、サービス提供会社が一時的に資金を立て替えて従業員の口座へ振り込み、後日企業がその立替分と手数料をまとめて、サービス提供会社へ精算する仕組みのことです。
企業側は前払い用の資金をあらかじめ準備する必要がないため、手元のキャッシュフローを圧迫せずに導入しやすい点がメリットといえます。
一方で、システム手数料や振込手数料は、「デポジット型」と比べて高めに設定される傾向があります。
「デポジット型(自社払い型)」の給与前払いサービスの特徴
デポジット型とは、導入企業があらかじめサービス提供会社の口座に保証金(デポジット)を預け入れておき、その範囲内で従業員への前払いを行う仕組みのことです。
サービス提供会社への立替手数料が発生しない分、システム手数料を抑えやすい一方で、企業はデポジット用のまとまった資金を事前に用意する必要があります。
給与前払いサービスを導入する3つのメリット
給与前払いサービスを導入すると、企業にはどのようなメリットがあるのでしょうか。大きく3つの視点から整理します。
求人応募数の増加と採用コストの削減
給与前払いサービスを利用できることは、求職者にとって大きな魅力の一つです。求人情報に「給与前払い可能」と記載すれば、特にアルバイト・パート採用において有力なアピール材料となり、応募数の増加も期待できます。
結果として、求人広告費の削減や採用活動期間の短縮につながり、採用単価を抑えられる可能性があります。
従業員のエンゲージメント向上と離職防止
福利厚生として給与前払いサービスを導入すれば、急な出費にもすぐ対応できるという安心感が生まれ、従業員のエンゲージメントを高める効果が期待できます。従業員の早期離職防止にもつながるでしょう。
経理・人事労務担当者の事務負担軽減
従来、従業員から個別に前払いの相談を受けた場合、経理や人事・労務担当者が銀行振込や現金手渡しの準備に個別対応する必要がありました。
給与前払いサービスを導入すれば、申請の受付けから振込実行までの一連の流れが自動化され、担当者の業務負担を軽減できます。
給与前払いサービスの選び方4つのポイント
給与前払いサービスを選ぶ際には、チェックしておくべきポイントがあります。ここでは、選ぶときの4つのポイントをご紹介します。
手数料などのコスト
給与前払いサービスのシステム手数料には、申請額に対して一定の料率をかける「定率型」と、利用1回ごとの都度課金や月額料金として定額の費用がかかる「定額型」があります。
これらのシステム手数料に加えて、銀行振込手数料も発生します。手数料の内訳や上限が事前に明示されているかをしっかり確認した上で、現在の前払い給与の発生状況をもとに、どの料金体系が自社にとって最もコストを抑えられるかシミュレーションをすることが大切です。
原則24時間365日いつでも着金できるか
アルバイトやギグワーカーは休日・夜間に働くことも多いものの、連携する金融機関のシステムによっては夜間や休日にメンテナンスが入り、振込が翌営業日扱いになるケースがあります。
従業員の「今すぐ受取りたい」というニーズに確実に応えるには、原則24時間365日、土日夜間を問わずリアルタイムに着金できる送金インフラ(全国銀行資金決済ネットワークの「モアタイムシステム」に対応した仕組みなど)を持つサービスかどうかが重要な判断基準となります。
対応する金融機関
特定の銀行口座しか前払い金の振込先に指定できないサービスの場合、従業員が新たに口座を開設する必要が生じ、利用のハードルが上がってしまいます。
都市銀行・地方銀行・ネット銀行など、従業員が普段利用している幅広い金融機関への振込に対応しているサービスを選ぶことが望ましいといえます。
セキュリティ体制
給与前払いサービスでは、従業員の氏名・口座情報・勤怠データ・給与額といった個人情報を取り扱います。通信・データの暗号化や第三者認証の取得状況、不正アクセス対策について確認し、安心して任せられる運営会社かを見極める必要があります。
給与前払いサービスを支える「セブン銀行API」
給与前払いサービスが「いつでも即時着金」を実現している裏側に、送金のシステム基盤としてあるのが、セブン銀行の「リアルタイム振込サービス(API)」です。
銀行システムの多くは定期メンテナンスによる停止時間がありますが、セブン銀行のAPIは原則24時間365日稼働しており、メンテナンスによる停止を挟まずリアルタイムで振込を実行できます。
土日・祝日の夜間など、給与前払いサービスの利用が集中しやすい時間帯は、銀行システムの定期メンテナンスと重なることも少なくありません。その結果、振込処理が翌営業日扱いとなるケースもあります。セブン銀行のAPIなら、こうした時間帯でも原則24時間365日リアルタイムで振込を実行できるため、従業員の「今すぐ受取りたい」というニーズに安定して応えられます。
給与前払いサービスで人材確保と業務効率化を進めよう
給与前払いサービスは、すでに働いた分の給与を給料日前に受取れる仕組みであり、大きく「立替型」と「デポジット型」の2つの仕組みがあります。導入にあたっては、手数料などのコストやインフラの安定稼働状況を確認しながら、自社に合ったサービスを選びましょう。
また、給与前払いサービスの新規開発を検討している方は、定期メンテナンスによる停止時間がなく、原則24時間365日リアルタイムで振込処理を実行できる、セブン銀行の「リアルタイム振込サービス(API)」をぜひご検討ください。
よくある質問
給与前払いと給与前借りの違いは?
給与前払いは、すでに働いた分の給与を給料日前に受取ることです。
一方、給与前借りは、まだ働いていない期間の給与をあらかじめ受取ることを指します。将来の労働を条件に金銭を貸し付け、将来の給料と一方的に相殺する行為とみなされる可能性があります。
給与前払いサービスの「立替型」と「デポジット型」はどのように選ぶ?
事前の資金準備を省き、手元のキャッシュフローを維持したまま導入したい場合は「立替型」が適しています。一方、あらかじめ資金を用意する余裕があり、システム手数料などのランニングコストをなるべく抑えて運用したい場合は「デポジット型」がおすすめです。
給与前払いサービスは正社員以外でも利用できる?
雇用形態にかかわらず、企業で働くすべての従業員が対象となるのが一般的です。ただし、勤続期間などの利用条件を設けている企業もあります。利用対象者については、就業規則や社内規程など、会社の定めに従います。
- リアルタイム振込サービスとは?
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リアルタイム振込サービスとは、システム間連携(API)により、振込処理を自動化し、リアルタイム(原則24時間365日)で振込が実行できるサービスです。
APIを活用することで、給与の前払いサービスや即時払いなど、振込手続きの自動化・省略化を実現します。- ・給与前払い・即時払い
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