人の力が変革を起こす。
挑戦を支える土台と文化を全社で築き続けます

(左)常務執行役員 総務部・人事部担当 稲垣 一貴

(右)常務執行役員 セブン・ラボ、AI・データ戦略部担当 中山 知章

どんな環境変化にも対応。
当社が求める自律型人財とは

稲垣:今は世の中の変化が早く、事業における環境も次々に変わっていく時代です。当社がパーパスに掲げる「日常の未来」を実現するためには、社員一人ひとりが、目指す理想に向けて挑戦と創意工夫を積み重ねていくことが必要です。新しい価値を創る主体は“人”と考え、社員が変化に対応し社会に貢献し続けられるよう、企業として、自律的成長を促すことに努めています。

中山:変化への対応力という文脈で「DX人財」という言葉が使われることもありますが、D(デジタル)だけではなく、多様なX(変革)を起こしていく人財を当社としては育成していきたいと考えていま。すテクノロジーはあくまで手段であり、その先にある変革を自ら生み出せるかどうかが重要だからです。

稲垣:まさにその通りで、当社は“今ここにある課題”を創造力やテクノロジーで解決し、自己、社内、社会を変革できる人財を求めています。また、国境を越えて活躍できるグローバルな視野を備えた人財も、海外事業の多角化に取り組む当社には必要です。しかし、それらのスキル・専門性があっても、成功へと導くマインドセットとリーダーシップがなければ会社の成長にはつながりません。

中山:新たな挑戦や変革に向かうとき、どんな場面でもまず必要なのは“やりきるマインド”と“レジリエンス”です。つまり、情熱と体力、そして困難に折れない心を持ち、粘り強くやり抜く姿勢です。

稲垣:やりきる経験を積むことは非常に大切ですね。さまざまなことに挑戦して問題解決の知見を増やし、自分のキャパシティを広げておくことが、将来のレジリエンスにつながると思います。

中山:社員には、「完璧」を求めすぎず、「完了」を目指して積極的に挑戦できる環境を整えていきたいですね。失敗してもそこから学び、次へ活かせばいい。その積み重ねが、個人の成長、ひいては会社の持続的な成長につながると信じています。

一人ひとりが変革の主役に。
個のマインドセットから組織の力へ

稲垣:「変革」というと、新規事業など“攻め”の部門に注目が集まりがちですが、銀行としての定常業務である“守り”の部門がしっかり支えているからこそ、思い切って“攻め”のチャレンジができています。
一方で“守り”の部門にも、常に挑戦する意識・姿勢が必要とされます。最近では、ノーコード・ローコードツールを活用した業務改善に取り組むなど、バックオフィス部門やコーポレート部門からもさまざまなイノベーションが生まれています。

中山:まさに誰でも変革は起こせるということですよね。セブン・ラボでも「変革は自分ごと」というマインドが全社的に定着するように、さまざまな施策を展開しています。また、社内の施策だけでなく、社外のネットワークを広げて、さまざまな視点で物事をとらえる機会も提供したいと考えているところです。

稲垣:人事部では、社内のさまざまな部署を経験するクロス人財も増やしていく予定です。当社の異なる部署をいくつか経験することで、事業を多面的に捉える力がつきます。そうした経験を積んで個を磨き、組織の強さに変えていきたいですね。

中山:それぞれが自発的に変革に取り組めるよう、企業がしっかりサポートする体制は大事ですね。それが集団としての強さにつながると思います。

社員と会社の成長を連動。
変革を促すリーダーシップとは

稲垣:当社では、リーダーシップに必要な行動や姿勢として「7つの力」を掲げており、2024年には全社員の行動評価にも取り入れました。この力を高めることで、誰もが将来的には経営層も目指せる設計になっています。
また、この数年で人事制度を全て刷新しました。評価する側・される側、両者が同じ目標を共有し、目指すべき人財像から期待される業務の達成度に応じて、評価体系を見直しました。
他にも、業務の10%をイノベーション活動に充てられる仕組み(EX10)など、チャレンジを後押しする制度を組み込みました。

ただ、制度というのはあくまで器であって、どれだけ優れた仕組みであっても、うまく運用されなければ意味がありません。これらの制度が現場の行動変容を促すことにつながるかが問われていると認識しています。

中山:社員には、セブン銀行のアセットやケイパビリティを使って、自分のやりたいことを実現してほしいです。そのために、ここ数年、全社的なイノベーションマインドの醸成に注力してきました。最近は中途採用などで多様なバックグランドを持つ人財が増えています。これまで当社になかった新しい視点や知見を活かし、さらに大きな変革を起こしていく、まさに多様性を企業成長の原動力にする絶好のチャンスだと捉えています。

稲垣:会社は、自発的にチャレンジしていく人の集団であれば、持続的に成長していくことができます。だからこそ、社員一人ひとりのキャリア形成や挑戦を後押しする仕組みを整えてきました。自分の意志で手を挙げて参加できるプロジェクトを増やし、就業時間中も新しい取組みを推奨する組織風土が出来上がりつつあります。

中山:社員が自発的に挑戦できる環境を整えるには、われわれマネジメント層の意識変革や行動変容も必要ですよね。変革を促すリーダーシップの在り方については自分自身も常に意識して行動しています。

稲垣:同感です。そのため、以前の「指示・管理・評価」に重点を置いた管理職像から、対話を通じて部下に寄り添い育成するスタイルへと、マネジメント改革にも力を入れています。マネジメントの手法に正解はありませんが、社員と会社の成長をしっかり連動させていくためには、マネジメント層のリーダーシップが極めて重要な要素だと考えています。

未来を共につくる人財。
「日常の未来」を共創できる体制へ

稲垣:これまでの取組みを通じて、社員のエンゲージメントは着実に向上してきました。とはいえ、まだまだ改善しなければならない点は多いので、引き続き策を講じ続けていきたいです。

中山:“ウェルビーイング”と言われる通り、「働きやすさ」と「働きがい」の両立が重要です。当社の場合、「働きやすさ」は制度や仕組みの面でかなり整ってきたと感じています。だからこそ今後は、さらに「働きがい」といった部分に応えていきたいです。
私は、社員一人ひとりが「自分はどんな価値を社会に提供しているのか」を自分の言葉で語れるようになると、それが“働きがい”につながると思います。そのために、会社の仕組みや企業風土を整え、絶えず意識変革を促す取組みをこれからも推進していきます。

稲垣:社員一人ひとりがありたい姿を描き、学び、働くことを通じて自己変革し続ける。そうすることで、パーパスに掲げる「日常の未来」の実現に向けて当社も社員とともに成長し続けることができる。これが当社の人財戦略のベースとなる考え方です。社員と会社の「共成長」を実現することで、持続的成長と企業価値向上につなげていきたいと思います。