2024.12.8
あの日の第0会議室:ATMを通じて、サステナブルな社会の実現を目指す
皆さん、こんにちは!セブン銀行 STORY of PURPOSE編集部です。
1990年代、まだコンビニにATMがなかった時代。セブン銀行は24時間365日開いているコンビニにATMを置くという前代未聞の事業を立ち上げました。今回はセブン銀行が創業から取り組んでいるさまざまなサステナビリティ活動について、能勢・金沢に話を聞きました。
目次
創業から取り組んできたセブン銀行の「サステナビリティ」
―サステナビリティ活動を推進するようになった経緯を教えてください。
能勢:セブン銀行のサステナビリティの考え方には事業活動を通じて社会課題の解決に取り組み、社会的価値と経済価値の両方を実現することと、企業として社会的責任を果たすことの2つの意味合いがあります。
セブン銀行は「コンビニにATMがあったら、お客さまの不便が解消される」という想いから始まった会社なので、実は成り立ちから社会課題の解決に通じているんです。
ブランドコミュニケーション部長 能勢 恵美
金沢:2003年度に会社が黒字化し、2007年度にはコンビニATMを47都道府県全てに設置完了できたということもあり、この頃から「より社会的責任を果たせる企業になっていきたい」との想いが強まり、多方面の活動に力を入れるようになりました。
ブランドコミュニケーション部 調査役 金沢 充貴
能勢:その後、「本業を通じて」社会的責任を果たすことで、持続的な成長を目指すべきという考えのもと、2021年からはサステナビリティを成長戦略の根幹と位置付け、取り組みを強化しています。
環境問題の解決が多方面のメリットにつながる「ATMリサイクル」
―環境や社会課題の解決に向き合った施策の1つである「ATMリサイクル」について教えてください。
金沢:セブン−イレブン店舗の改装・閉店や、次世代ATMへの入替えに伴って回収したATMは、メンテナンスを行ってリユース&リサイクルをしています。
「リユース」とは、再び使用することです。ATM本体はもちろん、中身も分解して、パーツ単位でできるだけ繰り返し使うようにしています。これまで、累計13,000台以上のATMをリユースしてきました。
能勢:リユースは日本電気株式会社さまと共同で取り組んでいます。設計段階からリサイクル素材を導入していることに加え、不具合が起きた場合にも、パーツごとに取り替えやメンテナンスが可能な構造にすることで、無駄な廃棄が生まれないようにしています。
回収したATMは、職人が一つひとつの部品を徹底的に洗浄・動作確認し、ピカピカな状態にして送り出しているため、リユース品であっても新品と同じように使うことができるんです。
設計段階からリサイクル素材を導入。パーツごとの取り換えが可能な構造になっている
金沢:老朽化で使えなくなってしまったものについては、原料にして再資源化する「リサイクル」を行っています。こうして、廃棄物を出さずに“リサイクル率約100%”を達成しているんです。
―徹底したリユースやリサイクルは環境にはやさしいかもしれませんが、多額の費用がかかるのではないでしょうか?
金沢:結果的に廃棄するよりもATMの調達コストを大きく下げることができ、自社の利益にもつながっています。環境問題に貢献しながら、利益も生み出せている事例といえますね。
―他にも環境保全のために行われている取り組みはありますか?
金沢:ATM利用時の消費電力量や利用明細書の削減の他、現金補充の際の車両出動回数をできるだけ減らすための資金需要予測や輸送計画の策定など、さまざまな取り組みを行っています。これによってCO2排出量の減少だけではなく、自社が負担するコストやコンビニオーナーさまの電気料金負担も軽減するなど、多方面でメリットを生み出すことができています。
社会や環境への貢献を高めることを目標として新型ATMの開発を行っている
支援の気持ちに寄り添うチャリティキャンペーンと「ATM募金」
―社会貢献の一環として目の不自由な方を支援するキャンペーン『ラジオ・チャリティ・ミュージックソン』にも協賛されていますよね。
金沢:はい。ニッポン放送が主催する『ラジオ・チャリティ・ミュージックソン(以下、「ミュージックソン」)』は、目の不自由な方が安心・安全に街を歩けるように、という想いから生まれた24時間生放送のラジオ番組で、セブン銀行は2010年から協賛しています。
毎年クリスマスの24時間生放送を中心にキャンペーンを実施
―協賛を始めたきっかけは何ですか?
金沢:セブン銀行では、目の不自由なお客さまからのお手紙で「視覚障がい者でも1人で使えるATMにしてほしい」というご要望を受けたことをきっかけに、「音声ガイダンスサービス」を開発しました。
これによって感謝の声をいただいたという経緯もあり、ミュージックソンの「目の不自由な方が安心・安全に街を歩けるように」という想いに強く共感し、協賛を続けています。
番組内では「音の出る信号機」を設置するための募金協力を呼びかけており、セブン銀行ATMからも募金をすることができます。
音声ガイダンスはお引出し・お預入れの他、電子マネーにも対応(新型ATMのみ)
―ATMから直接募金ができるんですか?
金沢:はい。寄付や募金にもさまざまな方法があり、お客さまのアクションによってセブン銀行が寄付を行う「クリック募金」「音声ガイダンスサービスの利用件数に応じた寄付」の他、お客さま自身からの募金を受け付けています。
お客さまからの募金は、当初セブン銀行で口座開設されている方のみ、インターネットを通して行う形のものでした。2021年からはATMを通じてお客さまの募金を受付ける「ATM募金」をリリースし、チャリティキャンペーン期間中はミュージックソンへの募金もATMで行えるようになりました。これによって、セブン銀行の口座をお持ちでない方にも、手軽にATMを通して募金いただけるようになったんです。
―ATMからの募金を加えたことで、変化や反響はありましたか?
金沢:反響はとても大きく、ミュージックソンで呼びかけた募金の額が導入前年と比較して8倍以上になりました。
ATM募金については、2023年度から常設募金先を5団体に増やしています。また直近では能登半島地震被害への支援募金を行なったところATMを通じて非常に多くの方からのご協力をいただきました。
サービスの利用状況を見ていると温かい想いを持っているお客さまが数多くいらっしゃることを実感すると共に、ATMを通してその想いに協力できることを嬉しく感じますね。
小売業から始まった銀行だからこそできた取り組み
―ユニークな活動の1つとして『森の戦士ボノロン』の協賛についても教えてください。
金沢:『森の戦士ボノロン』は、全国のセブン−イレブンやグループのレストラン、ベビー用品店などで無料配布している絵本で、「読み聞かせを通して親子のコミュニケーションを応援する」という想いに共感し、2005年から協賛を続けています。
能勢:コンビニやレストランは老若男女のお客さまが訪れる場所であるため、幅広い層の人々に絵本を届けることができます。また、「ボノロンをもらいに行って、ついでに何か買う」というお客さまもいらっしゃることから、コンビニオーナーさまのメリットにもつながっていると感じます。小売業から生まれた銀行だからこそできた取り組みだと思います。
―ボノロンの反響は大きいですか?
金沢:はい。「感動して泣いた」「自分が子どもの頃から読んでいて、今は親となり子どもに読み聞かせている」などのメッセージをいただけることも多いです。また、読み聞かせ会や着ぐるみショーなど、ボノロンが登場するイベント会場で見た子どもたちのキラキラした目を思い出すと心が温かくなります。
多くの人の喜び、そして豊かな社会と地域の未来のために
―サステナビリティ推進への原動力や、今後の意気込みを教えてください。
金沢:多くの方から直接リアクションをいただけることが何よりのモチベーションになっています。さまざまな活動を行っているからこそ、お客さまだけではなく、地域社会や取引先など全ての関係者の人に喜んでいただけるよう、今後も力を入れていきたいです。
能勢:私たちの考えるサステナビリティ活動は、本業を通じて社会に貢献しながらも、それがセブン銀行の持続的成長につながる仕組みを作っていくことです。
ですから、サステナビリティを推進することは、企業経営にも通じる非常に大切な役割だと考えています。その使命感を原動力にし、豊かな社会と地域の未来に貢献できるよう、これからも励んでいきます。
その想いを超え、日常のみらいへ。
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