2025.2.3
新規事業の枠を超えて。チャレンジを続けるセブン銀行が目指す未来
皆さん、こんにちは!セブン銀行 STORY of PURPOSE編集部です。
お客さまの「あったらいいな」を超えるサービスを作り出すために、さまざまな取り組みを行っているセブン銀行。今回は、新規事業のアイデアを探すために実施していることや社員教育について、セブン・ラボ、コーポレート・トランスフォーメーション部(以下、CX部)担当役員の中山に話を聞きました。
目次
社内外の力を集結して新事業のアイデアを見つける
ー新しい取り組みが次々と行われているセブン銀行ですが、新規事業に特化した部署があるのでしょうか?
中山:新規事業のアイデアを出して育てていく「セブン・ラボ」の他、新しいアイデアの創出や挑戦しやすい企業カルチャーの醸成などを担う「CX部」があります。
ただ、所属に関わらず社員なら誰でも新しいアイデアを出して挑戦できるようになっていますし、チャレンジしやすい仕組み作りにも力を入れています。

中山知章 経歴
1990年 住友銀行(現 三井住友銀行)に入行。執行役員 ITイノベーション推進部長・デジタル戦略部 副担当役員を歴任。
現在はセブン銀行 常務執行役員 セブン・ラボ部長 兼 セブン・ラボ部、コーポレート・トランスフォーメーション部 担当
ー新規事業のアイデアを開拓するための間口も広いですよね。
中山:はい。さまざまな分野の外部講師を招いて、世の中のトレンドや課題などをインプットし、それを元に社員が事業を考える『越境学習ゼミ』、外部から事業アイデアを募集するプラットフォーム『Wemake』の活用、他社と協働しながら一緒に新規事業を創出する『アクセラレータープログラム』、社会課題の発見から解決までの研究を行う『事業構想大学院大学プログラム』、社内でのビジネスコンテストなど、たくさんの入り口があります。

アクセラレータープログラムでは金融やATMの既成概念を超えた新規事業を創出してきた
ー今までにどのような取り組みが生まれましたか?
中山: ATMを巡るスタンプラリーや、SUSHI TOP MARKETING様と連携したNFT(非代替性トークン) 募金キャンペーンなどがあります。
募金キャンペーンではATMを通じて対象団体へ募金いただくことで、アーティストの窪田望さんが作成したデジタルアート作品をノベルティとして配布し、SNSでも話題になりました。まだ構想段階ですが、第2弾となるNFT関連の新サービスも企画しています。

窪田さん自身、セブン銀行が実施する自然環境保全ボランティアに参加して作品を創作
外部企業との共創で「目指すべき社会」を一緒に作り上げる
ー他社と連携した取り組みに注力しているのも特徴ですよね。どのようなメリットがあるのでしょうか?
中山:一番の利点は、自分たちだけでは思いつくことができない「アイデアの種」に気付かせてもらえることです。私たちはどうしても金融やATMという視点から着想することが多いですが、外部からの視点を取り入れることで、課題やニーズをベースとした全く新しいアイデアが生まれやすくなります。
また、ネットワークを広げられることもメリットの1つです。新規事業を行うには、そのための専門技術や人的リソースも必要になります。効率的に進めながらクオリティを高めてスピーディーにトライするためにも、外部の方々と協働することはとても重要なんです。

幅広い業種の企業と協働することで新たなユーザーニーズを発見
ーコラボレートする企業を選出する際、大切にしていることはありますか?
中山:検討のフェーズによって重要視する観点は変わりますが、まずは事業アイデアが革新的で一緒にやりたいと心の底から思えるか、その上でセブン銀行のパーパスに同意してくれるか、高い熱量を維持しながらチームとして一緒に走っていけるかを大切にしています。スタートアップ企業か、大企業かといった企業規模については気にしていません。
出資という形をとることもありますが、キャピタルゲインを得るというような短期の財務的成果のためではなく、中長期的な視点を持って目指すべき社会を一緒に作り上げることができるかを意識しています。
経営層から若手までチャレンジ精神に溢れる会社に
ー新規事業に関するスキームがたくさんあるからこそ、さまざまな取り組みを生み出すことができるんですね。
中山:そうですね。ただ、「スキームがある、メソッドを体得する」だけでは物事は進みません。新しい取り組みを行う際、特に大事なのは社員のマインドセットだと考えています。
例えば、何かを始めたいと思っても、今の仕事で手一杯だったり、チャレンジして失敗したら……と不安になったりして尻込みしてしまうことってありますよね。
セブン銀行はもともと、ATMをコンビニに設置するという前代未聞のプロジェクトから始まったため、創業時からチャレンジ精神に溢れた会社です。ただ、事業が大きくなるにつれて、保守的になってしまう側面もあったのではないかと思います。
そこで、まずは経営層も含めた社員のマインド変化を促すため、2022年にカルチャー変革プロジェクト『SEVENBANK Academia』を立ち上げました。

社員の意識改革と行動変容を促すため、多種多様なプログラムを実施している
ー『SEVENBANK Academia』とは具体的にどういうものですか?
中山:経営層からのメッセージを発信したり、社員同士のコミュニティを活発化させたりすることで、セブン銀行がもともと持っているチャレンジ精神を再活性化するプロジェクトです。
例えば、弊社経営層と外部のプロ経営者やアカデミアの方々などによるウェビナー形式での対談や、各界の有識者に実践的なスキルやマインドを学ぶ場の提供、スナックのように飲みながら気軽にコミュニケーションを取れる機会を作るなど、幅広い活動を行なっています。

外部経営者との対談で企業変革に取り組む経営層の姿を発信
ー若手だけでなく、経営層の活動が多いのは特徴的ですね!
中山:まずは経営層が自身の言葉でチャレンジ精神を示すことで、若手社員に『挑戦してもいい会社なんだ』と感じてもらいたいと思っています。たとえ失敗してもそれを糧にすることで、本人も、企業も成長することができますから。
ーこの取り組みを行ったことで、社内の変化はありましたか?
中山:弊社で新しいことを始める際は、基本的に指名制ではなく立候補でメンバーを集めるのですが、手を挙げる人が目に見えて多くなりました。また、実践型の社内研修に参加し、得たスキルを実務で活用する事例も増えてきています。
新規事業だけではなく、「やってみたい」と感じることに対して役職や所属に関係なく、どんどん挑戦してみるという、セブン銀行本来の強さや風土が再度顕在化してきていると感じますね。

アクセラレータープログラム参加者の様子
人やモノの動きを変えて社会をイノベーションする
ーこの先、挑戦してみたいと思っている分野はありますか?
中山:たくさんありますが、1つ例を挙げるなら、幼いお子さま達を対象とした金融教育の分野です。小学生くらいのお子さま達に、お金とは何か、働くとはどういうことかなどについて学んでもらう機会を作りたいですね。小さい頃から正しく知ることで、大人になった時に役立つ知識を身に付けることができると考えています。

また、金融リテラシーを当たり前に持つ人が増えることで、金融犯罪やトラブルに巻き込まれることを防ぐなど、お金に関する社会課題を解決できるとも考えています。それにより、これからの社会がより良い方向へ変わっていくんじゃないでしょうか。
ーとても素晴らしい取り組みですが、マネタイズの面から考えるとやや遠回りな気もします……。
中山:利益を生み出すという点では遠回りになるかもしれませんが、目先だけを見ていては、社会は変わりません。会社である以上、マネタイズは大切ですが、それありきではなく人のニーズや困りごとを元に、何をすべきか考え、ひいては「より良い社会を生み出す一員」となることが重要です。
人の動きやモノの動きを変えることで、社会の課題解決につながるような事業に取り組んでいきたいですね。

ー新規事業の枠を超えて社会をイノベーションしていくという、大きな構想ですね!
中山:「イノベーション」というと大ごとのように感じるかもしれませんね(笑)。あくまでイノベーションは結果なので、まずは「自分が欲しいもの」を形にしてみる、くらいの気軽さで挑戦するのがちょうどいいと思います。
「自分の生活をちょっと便利にしたい」「自分の仕事をちょっと楽にしたい」といった気持ちから解決策を考え、それが世の中のニーズにマッチすればイノベーションに近づくというわけです。

業務を効率化・自動化することを目的に、社員自らがアプリ開発を行う研修プログラムも実施
ー最後に、中山さんが個人的に掲げている目標について教えてください。
中山:変な言い方ですが、なるべく早く、セブン・ラボやCX部を解散することです(笑)。社員の誰しもが自発的に手を挙げてアイデアを出し、挑戦していくのが当たり前の会社になれば専門の部署や組織は必要ありません。
社員みんなが中長期的な目線で自分ごととして事業を考え、挑戦し、たとえ失敗しても、それを糧にして成長していける会社を目指したいと思っています。

※記事内容は公開時点での情報となります。サービス等の最新情報はセブン銀行ホームページにてご確認ください。


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