2024.12.22
セブン銀行が目指す未来:「金融」や「銀行」の枠にとらわれないワクワクする未来の創造
皆さん、こんにちは!セブン銀行 STORY of PURPOSE編集部です。
1990年代、まだコンビニにATMがなかった時代。セブン銀行は24時間365日開いているコンビニにATMを置くという前代未聞の事業を立ち上げました。
今回は、お客さまの「あったらいいな」を超えるために、日々新たな挑戦を続けているセブン銀行の今後について、代表取締役社長の松橋に話を聞きました。
目次
目指すのは、今までのATMの延長線上にないもの
松橋 正明
経歴
釧路工業高等専門学校卒。1983年通信機器メーカー入社、2002年電機メーカー入社、2003年アイワイバンク銀行(現 セブン銀社)入社。
2022年6月にセブン銀行代表取締役社長就任。
―セブン銀行のATMではマイナンバーカードを利用した手続きなど、お金に関わるサービス以外も展開していますが、今後のATM開発はお金の出し入れ以外のサービスを充実させることにも注力していくのでしょうか?
松橋:そうですね、『お客さまの「あったらいいな」を超えて、日常の未来を生みだし続ける。』というパーパスのもと、今までのATMの延長線上にないものを生み出し、より豊かな未来を創ることを目指しています。
―具体的にはどういうことでしょうか?
松橋:ATMの既成概念にとらわれず、これからの時代に必要なものを考えて形にしていくということです。
例えば、ATMは一般的にお金を出し入れする機械という認識が強いと思います。しかし、これからは銀行や自治体、民間企業などの「人の手が必要な窓口業務」まで対応可能にして、「ATMに行けばあらゆる手続き・認証ができる」という状態にすることを目指していきたいです。
金融や行政などあらゆる手続き・認証をATMで行える、総合サービスプラットフォームを目指す
将来的にはコンビニの中などに「手続きができるパブリックコーナー」みたいなものを用意するのもいいなと思っています。
急いでいるときにはサクッと手続きをすることもできるし、ゆっくりしたいときにはイートインのコーヒーを飲みながら手続きをして、帰りがけにマルチコピー機から書類を受け取ることもできる。安全かつプライバシーが守られた空間で、さまざまな手続きができる場所を作れたらいいな、と妄想しています(笑)。それが実現できれば、「今までのATMの延長線上にないものを生み出す」という私たちの理想に一歩近づくと思いませんか?
次世代に向けたユニークな探索活動
―理想の未来の実現に向けて、まずは第5世代ATMの開発が進んでいると思いますが、具体的な構想はあるのでしょうか?
松橋:実は、第5世代ATMの構想は模索中で、まだ決めきっていません。今は他業界の新しい技術やお客さまのニーズをキャッチしながら、銀行に限らず「世の中にあったらいいよね」と思うものを、いろいろ探索しているフェーズなんです。
―具体的にはどのような探索をしているのでしょうか?
松橋:いろいろあるのですが、世の中の人が日常的に触れている「ユニークな感覚」をもたらす技術を取り入れられないか研究を重ねています。例えば、アニメであればズームなどの強調表現によって、臨場感や緊迫感を味わえますよね。それをATM利用者への注意喚起に役立てられないかと考えています。
他にも、最新のゲーム機ではシーンによってコントローラーのボタンの重さが変わる工夫があるように、日常の中で無意識に人々に影響を与えている感覚をATMにも組み込めないか模索しています。
―アニメやゲームも開発の参考にしているというのは予想外でした!
松橋:これはほんの一例です(笑)。現在のATMはタッチパネルが当たり前になっていますが、自動車業界の非接触で操作できるカーナビのように、ATMも画面に触れずに操作する方法がないか思索しています。例えば、ハンドサインでお金を下ろせたらどうかな、などですね。
また、金融の領域にとどまらず、認知心理学に基づいた画面デザインの検討や詐欺被害を防ぐ方法、音楽心理学・AI・生体データの活用など、大学や高等専門学校などの教育機関と連携して進めている研究も多くあります。これらは実際に講義を受けて、学術的な点から学び直しているんです。
文系理系問わず、幅広い領域で大学と連携して研究を進めている
大切にしているのは「世の中の人が好む感覚を知ること」
―かなり幅広い分野の研究・検討に取り組まれていますが、その中で心掛けていることはありますか?
松橋:私は、時代の変化のスピードに追いつけなくなってしまうと、お客さまの「あったらいいな」を超えるサービスは提供できなくなると思っています。
だからこそ、普段から意識的に自分自身のスキルや知識をアップデートし続けるようにしていますね。プライベートでも積極的に新しいもの・ことを体験し、そこから得た気づきをどんどん事業に取り入れています。
―具体的にはどのようなことをされているのでしょう?
松橋:最近の趣味は生成AIを使った画像編集です。また、アニメやゲームをチェックしたり、テーマパークに行ってイマジネーションや技術をインプットしたりしていますね。
日常的にアニメやゲームに触れるだけでなく、年に1回はテーマパークに行くようにしている
世の中の人が日頃何を感じていて、どんな感覚が好きかを知らない限り、快適なサービスは提供できないと思っています。最新のアニメやゲームに触れている人が、セブン銀行のATMを使ったときに「古いな」と感じないようにしたいんです。
日頃の趣味をどう仕事に活かしていくか、社長自ら積極的に社員に発信
だから、私はユーザー側も経験して、なぜこの感覚が気持ちいいと感じるのか、その理由を考えるようにしています。これはサービスを提供する側の責任。私たちのサービスを使ってくれる人たちがどんな感覚を持つかを知ることはとても大切なんです。
ATMという枠を超え、お客さまのワクワク感を膨らませる存在に
―最後に、今後セブン銀行がどんな存在になっていきたいかを教えてください。
松橋:ゆくゆくはセブン銀行のATM自体が、お客さまのワクワク感を膨らませるような存在になれたらと思っています。
例えば、旅行に行くためにATMでお金を下ろすというように、今のATMは目的に向かうための通過点でしかないですよね。でも、それでは面白くない。私たちは、目的に向かう途中でもお客さまの気分を高める役割を担っていきたいと考えています。
そんな理想の未来を実現するためにも、セブン銀行のパーパスにはあえて「銀行」「金融」という言葉を入れていません。
ATMという軸を持ちながらも領域にこだわらず、さまざまな事業を視野に入れていくことで、お客さまがワクワクするような未来を自分たちの手で創っていきたいですね。
その想いを超え、日常のみらいへ。
セブン銀行は、あなたの毎日をもっと便利に、もっと快適に。