2025.1.15
国籍関係なく誰もが暮らしやすい社会へ。金融サービスとしての取組みや支援
皆さん、こんにちは!セブン銀行 STORY of PURPOSE編集部です。
日本で活躍する外国籍の方は年々増加しています。しかし金融サービスにおいては、外国籍の方が銀行口座を開設することが難しいといった課題があります。
今回は、こうした課題を解決するためにセブン銀行が行っている取組みについて、バンキング統括部の古川・阿尻に話を聞きました。
目次
日本に住む外国籍の方の約2人に1人が銀行の口座開設時に不満を感じている!?
まずはインタビューの前に、日本における外国籍の方の人数や、口座開設事情を見ていきましょう。
日本における外国人労働者の数は右肩上がりに増加しており、2023年10月時点では、初めて200万人を超えました。今後も増加の一途を辿ることが予想され、それに伴って外国籍の方の銀行口座開設も増加していくことが推察されます。

厚生労働省「外国人雇用状況の届出状況」をもとに作成。各年10月末時点。
マイナビニュースが実施したアンケート調査※でも課題が見えています。口座開設の手続きで不満を感じたかという設問では「とても感じた」が18.35%、「やや感じた」が31.19%となっており、合計すると約半数もの方が不満を感じていたという結果に。
具体的な内容としては、必要な情報・モノの多さや、手続きできる時間・日にち、場所の制約などが挙げられました。

出典:マイナビニュース「日本の銀行口座開設に関するアンケート調査」
このような情勢も踏まえ、セブン銀行としての課題や取組みについて話を聞きました。
時間や場所、言語の壁にとらわれないセブン銀行口座
―外国籍の方にとって、セブン銀行で口座開設をするメリットはどのような点ですか?
阿尻:まずは、ATMの数が多く、24時間使えるという利便性の高さが大きなメリットだと思います。働いて得たお金を母国のご家族に送金するために来日されている方も多いので、いつでもどこでも海外送金できることも重要ですね。

古川:また、お客さまからの問合せ対応をするコンタクトセンターやチャットなどの対応言語数が多い点もメリットだと思います。現在は9言語で対応しています。

Webサイトでチャットを立ち上げると、自動的にお客さまの使用言語でテキストが表示されます
―逆に、外国籍の方の口座開設サービスで課題に感じていることはありますか?
阿尻:郵送でのお手続きの場合、書類のご用意などが煩雑になり、ご負担をおかけすることが多いと感じています。特に、お客さまに 本人確認書類を2点ご用意いただくことが難しいですね。
例えば住民票を取得したくても、来日したばかりだと、どこの役所の、どの窓口に行けばいいかも悩んでしまいます。保険証は、入社してしばらくしないと発行されないという問題もあります。
また書類のコピーを取ったり、ネットでの申込で完了せず、書類を往復してやりとりしなくてはいけないなど文化による壁も生じるため、郵送いただいても不備により、何度もやり取りが発生してしまうことも多いです。

阿尻 真優 バンキング統括部・デジタル推進グループ
古川:当社社員が外国籍の方が集まるイベントや、入国直後の外国籍の従業員を雇用する企業に訪問し対面で受付するお手続きも行ってきました。
これまで外国籍のお客さまが非対面、且つご自身で口座開設できるチャネルは郵送によるお手続きしかなかったため(※)、口座開設チャネルの拡充として、より便利なATMでの受付を開始しました。
- ※海外送金契約と同時に口座開設をする場合はWEB申込が可能。

古川 礼佳 バンキング統括部・外国人ビジネス推進グループ
『ATM窓口』で口座開設の煩雑さを減らし、もっと便利に
―課題解決の1つとして『ATM窓口』を導入されたそうですが、そもそも『ATM窓口』とはどのようなサービスなのでしょうか?
古川:『ATM窓口』は提携先企業に登録されている情報変更や、銀行口座の開設がATMのみで完結するサービスです。原則24時間365日お手続き可能で時間の制約もなく、本人確認書類と顔認証により本人確認できるため、煩雑な書類準備も不要となります。
現在、本サービスは一部の金融機関・企業でご利用可能、新型ATMのみのお取扱いとなりますが、23年9月に日本国籍の方向けにリリースして以降、非常に便利だというお声を多くいただけています。

阿尻:この仕組みが、外国籍のお客さまが抱かれる口座開設時の不便さを解決できる思い、2024年12月から外国籍のお客さま向けにも『ATM窓口』のサービス提供を開始しました。
―具体的にどの点が煩雑さの解決につながるのでしょうか?
阿尻:日本国籍の方と同様、全国各地のATMから原則いつでもお手続き可能であること、郵送申込時に煩雑と感じられていた「本人確認書類2点」の用意が1点になったことです。
また在留カードのICチップ情報を読み取り、申込情報に反映させているため、お客さまの入力の負担を減らし、届出情報の不備を減らすことができています。
今回のリリースに際し、お一人でも安心してお手続きが完了できるよう、複数言語に対応した操作説明動画もWebサイトに用意しました。一人でも多くの方にこの便利さを体験いただきたいです。

※画像はイメージです。『ATM窓口』は新型ATMのみのお取扱いとなります。
ATM上で 本人確認書類のICチップを読み取り、顔写真の撮影を行うことでお手続きが可能に

ローンの申込みは永住者の方のみが対象となりますが、その他は全てご利用可能です
―外国籍の方の口座開設にここまで力を入れている理由は何でしょうか?
古川:外国籍のお客さまの口座開設は、確認事項の多さや言語の壁など対応の難しさもあり、敬遠されてしまいがちです。その結果、口座開設したいのになかなかできない方も多いという現状があります。
セブン銀行では、そういった方々の受け皿になることで本業を通じて社会に貢献したいという思いで注力しているのです。
他にも社会貢献につながる活動として、外国籍の方の口座をめぐる犯罪防止対策にも取り組んでいます。
―犯罪防止の取組みについて詳しく教えてください。
古川:外国籍の方が帰国される際、日本での口座を売却してしまい、犯罪に利用されるケースがあります。
対面での口座開設手続きの際、口座売買は犯罪であること、絶対に売ってはいけないことをセブン銀行社員からお客さまへ直接説明したり、当社の運営するSNSやアプリ上で啓蒙しています。
口座を売却する方の中には、 悪いことだと知らずに口座を渡してしまい、犯罪に巻き込まれる方もいます。そのような被害を減らし、犯罪を防いでいくことも金融サービスを扱う者としての責任だと感じています。
今後は非対面も含め口座開設件数が増えていくので、犯罪防止の取組みをより強めていきたいです。
国籍も越えて、みんなの「あったらいいな」を実現し続ける
―今後の展望を教えてください。
阿尻:「使い方がわかる人だけが使う」サービスではなく、「使いたい人誰もが使える」サービスとなるよう、リリース後も様々なお声を大事に取り組んでいきたいと思っています。
さらに新しいサービスも開発中ですが、リリース後、長く使い続けてもらえるように考えながら取り組んでいます。

古川:「日本に来たら、まずセブン銀行」という考えが当たり前になる世界を目指しています。セブン銀行は、銀行の中でも先駆けて個人向けに海外送金サービスを始めたこともあり、外国籍の方向けのサービスについては知見が蓄積しています。
知見を活かし、外国籍のお客さまの課題解決やニーズに応え、日本での生活がより便利になるよう、銀行としての社会的責任も果たしていきたいです。
―外国籍の方にとって、心強い味方になりそうですね。
古川:実際、日本で初めての口座をセブン銀行で開設してくださった方は、その後も長く使い続けてくださることが多いです。セブン銀行の口座は外国籍の方でも日本国籍の方とほぼ変わらない金融サービスの利用が可能です。
今後も安心してお使いいただき、末永く寄り添っていける存在でありたいですね。

- ※アンケートの調査概要
マイナビニュース調べ
調査目的:日本の銀行口座開設に関する調査
調査対象:日本在住の18歳以上の外国籍男女 有効回答数218名
調査方法:インターネットリサーチ
調査期間:2024年11月25日~2024年11月26日
※記事内容は公開時点での情報となります。サービス等の最新情報はセブン銀行ホームページにてご確認ください。


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