稲垣一貴×酒井俊幸:さらなる高みを目指して。「成果を出すチーム作り」の秘訣

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一人ひとりが自分の力を最大限発揮し、共通の目標へ向かうしくみ作り「チームビルディング」。
今回、東洋大学陸上競技部男子長距離部門を率いる酒井監督とセブン銀行 常務執行役員 人事・総務担当の稲垣がチームビルディングをテーマにした対談を行いました。

異なるフィールドであっても、現状に満足することなく上を目指す二人が大切にしているチームビルディングとは?いつもよりもボリュームを多めにお届けします!

目次

    スポンサー契約をきっかけに、お互いの挑戦を後押しできる関係へ

    セブン銀行は2024年12月、東洋大学陸上競技部男子長距離部門とのユニフォームスポンサー契約を締結し、公式ユニフォーム及び公式トレーニングウェアにロゴを掲げています。締結を機に、2025年4月には酒井監督や選手を招いた社内イベント『ウェルネスセミナー』が開催されました。

    (右上)左から 酒井 俊幸 監督、緒方 澪那斗 選手、岸本 遼太郎 選手、西村 真周 選手、薄根 大河 選手。
    選手たちからのストレッチ方法の紹介。和やかな雰囲気で、参加者からは笑みが溢れる場面も。

    ここから、イベント終了後に行った対談の様子をお届けします。

    稲垣:このスポンサー契約の締結は、私たちが東洋大学陸上競技部男子長距離部門の新たな挑戦を続ける姿勢に深く共感したことをきっかけに実現しました。今後はスポンサーとして夢や挑戦を応援するだけでなく、今回のイベントのようにさまざまな取組みを共創していきたいです。

    稲垣 一貴
    ゼネコン勤務を経て1996年セブンーイレブン・ジャパンへ入社。
    その後2003年にセブン銀行に入社し、営業やATM管理、人事を経験し2017年にセブン銀行の執行役員に就任。

    酒井:本日はこのような機会をありがとうございます。
    私も選手たちも、セブン銀行さまのロゴを胸につけられることを嬉しく思っています。この共創関係から新しい価値を学び、日々挑戦しながら革新を進めて、スポーツの魅力を発信できるよう励んでいきます。

    酒井 俊幸
    東洋大学卒。東洋大学陸上競技部男子長距離部門キャプテンを経て、コニカ(現・コニカミノルタ)に入社。
    引退後は、高校教員として陸上部顧問を務める。
    2009年より東洋大学陸上競技部男子長距離部門の監督に就任。箱根駅伝など数々の大会でチームを優勝に導く。

    成果を出すチーム作りで大切なのは『一人ひとりのリーダーシップ』

    稲垣:今回、テーマが「チームビルディング」ということでしたので、チーム作りで重要なことについて改めて考えてきました。酒井監督にお話しするのは恐れ多いですが(笑)。監督のご意見もぜひ伺いたいです。

    酒井:よろしくお願いします。

    稲垣:何よりも重要だと思っていることは、一人ひとりがリーダーシップを発揮することです。

    自分が会社からどんな期待を受け、チーム内でどんな役割を担っているかを理解した上で主体的に業務に取り組めば、より良い成果に繋がると考えています。

    酒井:リーダーシップを育むために、何か取組みをしているのですか?

    稲垣:弊社では挙手制を取り入れ、やりたいプロジェクトに自分から参加したり業務の10%をイノベーション活動に充てることができるようにしています。それを評価にも反映するという取組みを行っています。

    酒井:自分から手を挙げて参加すると、責任感も高まりそうですね。
    私も、リーダーシップの育成は非常に大切にしています。

    学生競技の特性上、キャプテンや上級生はリーダーシップを発揮せざるを得ない立場に置かれますが、強いチームになるためには、新入生やスタッフを含めた全員がリーダーシップを持つ必要があります

    そのために、名前ではなく敢えて役職名で呼んだり、各自の役割をみんなで話し合ったりしていますね。

    自分の役割をふまえた上で、チームのために自分は何ができるかを考えて動けることが大切です。

    稲垣:企業のマネジメントと似ていますね。

    酒井:共通する点は多いと思います。今年度からは、企業が部や課で分かれているように、私たちも「グループ制」を導入しました。

    部員を8グループに分け、普段の生活態度や提出物の状況などをポイント制で評価しています。表彰制度も作りました。

    チームとしての強さの土台になる、一人ひとりの“人間力“を高めることが目的ですが、それだけではありません。

    少人数のグループにすることで、グループ内での自分の役割が確立できるため、部全体での自分の役割を考えることに繋がります。

    また連帯責任が生まれることから、下級生が上級生に指摘や意見を伝えやすくなり、コミュニケーションが円滑になる効果もあると思っています。

    稲垣:素晴らしいですね。勉強になります!

    それぞれが自分の役割を理解して、チームで同じ目標に向かっている、一体感のある状態は理想的ですね。

    そうなれば自然と、困っているメンバーを助ける・支え合う雰囲気も生まれますよね。酒井監督のチームは、まさにそういう状態でしょうか。

    酒井:今は新年度になってチームが始動したばかりなので、まだまだこれから成長していく段階です。

    まずは、上級生が下級生に部の目標やスピリットを伝え、全員が同じ方向を向けるようにしていますね。

    また、寮での掃除や時間厳守など基本的なルールを徹底して、信頼関係と士気を高め合う雰囲気づくりにも努めています。

    今後、試合・大会を通じて現状や課題を把握し、改善を重ねることで、強いチームに成長していきたいですね。

    稲垣:なるほど。毎年メンバーが入れ替わるので大変ですよね。

    当社の場合は今、理想に対して山で言うと五合目くらいだと思っています。社員に話を聞くと、管理職とメンバーの間でコミュニケーションに課題があると感じることも多いです。

    エンゲージメントスコアは年々上昇していますが、上に立つ人は、今までどおりのマネジメントを続けるだけではだめだということを自覚し、アップデートしていく必要がありますね。

    今求められるのは、個性に合わせたマネジメント

    酒井:稲垣さんから見て、今と昔のマネジメントはどう違いますか?

    稲垣:私たちが若かった頃は、上意下達の文化が強く、マネジメントと言えば、指示して従わせ、それを評価するというものでした。

    しかし今は、メンバー一人ひとりの気持ちに寄り添い、成長を支援することが求められていると感じます。

    そのため、1対1で話す機会を設け、安心して意見が出せる環境を作るなどの工夫をしていますね。

    酒井:スポーツの世界も似ています。以前は、全員を集めて強い言葉で鼓舞するような一律マネジメントが主流でしたが、それでは通用しなくなりました。今は、個々の性格に合わせたアプローチが必要です。

    稲垣:個性に合わせてどのようにアプローチを変えているのですか?

    酒井:例えば、ライバル選手の成績が上がると「負けてたまるか」とやる気を出す人もいれば、逆に落ち込む人もいます。

    そうした違いを把握しながら、励まし方や情報の伝え方を状況に合わせて調整していますね。大会中も、『行け!追いつけ!』と鼓舞する場合と、『大丈夫、君ならできる』と共感を示す場合とで使い分けています。

    稲垣:おお〜、次に駅伝を見る時は声がけに注目してみますね!

    企業でも、個人に合わせたコミュニケーションが重要だと思います。言葉の選び方を最適化することで、より伝わるマネジメントができますね。

    酒井:そのとおりです。

    例えばトレーニングの専門家に講演してもらう機会があったときには、講演後、個別に感想を聞き、もし伝えたいポイントが伝わっていなければ、改めてその人に合わせた言葉で伝えるなどのフォローをしています。

    稲垣:どうやって、各個人のタイプを判断しているのでしょうか?

    酒井:普段の様子からわかることもありますが、手法としてはアンケート調査や心理統計学も使っています。

    また直接話を聞きたい場合でも、マネージャーや年齢の近い先輩選手などに聞いてもらうなど、人を変えることもしていますね。選手からすると私も父親に近い年齢になので、なかなか最初から気持ちを開きづらい場合もあると思いますので(笑)。

    ただ、完璧な方法や正解があるわけではないので、難しい部分も多く、試行錯誤を重ねています。

    稲垣:私たちの世代は、自分が受けてきたマネジメントとは違う方法を使わなければならず、本当に難しいですよね。私も、模索しながら改善を続けていきたいです。

    攻めと守りを両立させながら結束し、さらなる高みへ

    稲垣:酒井監督は毎年チームのテーマを掲げられていますが、今年度はいかがでしょうか?

    酒井:今年のチームスローガンは『結束』です。各メンバーが自らリーダーシップを発揮し、互いに刺激し合うことで成果を出すチームを目指します。稲垣さんの今後の目標もぜひ教えてください。

    稲垣:ビジネスは、“攻め”として新規事業などに挑戦する部分と、“守り”として既存事業を着実に続ける部分があります。

    両者が互いに尊重し合い、協力しながら高め合える組織を作っていきたいですね。

    酒井:なるほど。“攻め”と“守り”の考えは、私たちにも当てはまります。

    新しい方法に積極的に挑戦しつつも、これまで受け継がれてきた東洋大学の実直さ『その一秒をけずりだせ』というスローガンを体現した走りはチームの核として大切にしながら、さらなる高みを目指していきたいです。

    そして学生たちには、大会で勝つことはもちろん、4年間の経験を通じて自信をつけ、将来に役立つ強い心を育んでほしいと思っています。

    稲垣:スポーツを通して教育をするという酒井監督の姿勢がとてもよく伝わってきました。それが大きなモチベーションになっているのですね。

    酒井:はい。人の成長に関わり、成長していく姿を見られることが私の幸せです。稲垣さんのモチベーションになっていることは何ですか?

    稲垣:人間には寿命がありますが、企業はうまく運営すれば何百年も存続できます。だからこそ、私は自分がいる間に会社の風土や働き方を改善し、未来に向けた強固な基盤を築きたいという想いで取り組んでいます。

    酒井:有意義なお話がたくさん聞けて、刺激になりました。本日はありがとうございました!

    稲垣:こちらこそ大変勉強になりました。今後もお互い頑張っていきましょう。ありがとうございました!

    ※記事内容は公開時点での情報となります。サービス等の最新情報はセブン銀行ホームページにてご確認ください。

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