2025.11.4
“挑戦する人が正当に評価される”組織へ。キャリア支援と人事改革の挑戦
セブン銀行では、『お客さまの「あったらいいな」を超えて、日常の未来を生みだし続ける。』というパーパスのもと、社会やお客さまに新たな価値を届ける挑戦を後押しするため、人事制度の抜本的な見直しやタレントマネジメントの強化に取組んできました。今回は、その背景や人事部としての想い、そして現場で生まれた変化について、人事部の3名に話を聞きました。
目次
「閉塞感」からの一歩。2020会議から始まった人事改革
―人事の基本的な考え方について教えてください。
F:私たちが掲げているのは「自律型人財の育成」です。与えられた業務をこなすだけでなく、自ら考え行動し、周囲を巻き込みながら成果を出せる人財を育てることを重視しています。
                    セブン銀行ではパーパスを実現するための価値創造の観点から、当社グループとして優先的に取り組む課題を5つ抽出し「重点課題」として掲げています。その中の1つに「価値創造の源泉(コラボレーション)」という課題があり、これは多様な人財と働き方を支援し、キャリア開発とスキルアップを促進することで企業競争力を高め、ひいては多様な文化や価値観を尊重し合う協働社会の実現に貢献する、という考えの内容です。
人事部はお客さまに直接サービスを提供する部門ではありませんが、サービスを生み出す社員一人ひとりの就業環境を整え、キャリア支援を通じて社員の挑戦を後押しすることで、結果的にお客さまに新しい価値ある体験を届け、重点課題への取組みになると考えています。
―直近の制度改定の背景を教えてください。
F:2020年ごろ、キャッシュレス台頭などの外部要因もあり、社内には「このままでいいのか」という危機感がありました。そこで経営陣による方針会議の実施が確定し、その前段として社員アンケートを実施したところ、キャリアへの不安や人事制度への不満を社員が抱えていることがわかりました。これを受け人事制度の見直しを含めた議論が始まり、2020年と2024年の二段階で人事制度を全面改訂しました。
                    人事部 人事グループ グループ長 F
―新人事制度はどのようなコンセプトなのでしょうか?
F:「新しい文化を創り、新しい収益を上げていく」という大きな転換が示され、人事制度については「挑戦する人が正当に評価される仕組みをつくる」という方針のもと、人事部としては、具体化するコンセプトとして、“頑張った人が報われる”仕組みづくりを進めていきました。
もともと「手を挙げればチャンスがある」という風土はありましたが、当時はそれが評価や報酬に結びつく仕組みが十分ではありませんでした。だからこそこの改定では、その風土を制度面から後押しし、社員の納得感を高めていきたいと考えました。
―それを受けて、どのように人事改定を進めましたか?
F:一度にすべてを変えるのは難しいので、2020年の改訂を経て、2024年では、等級制度、評価制度、報酬制度を全面的に改定しました。具体的には、評価の傾斜配分や役職手当の新設、トレーニー制度の導入、昇格スピードの見直しなどを実施しました。
―改定後はどのような変化が見られましたか。
F:年功序列が薄れ、若手でも実力が認められれば昇格するようになりました。実際にそうした事例が増え、他の若手のモチベーション向上にもつながっていると感じます。単に制度を変えただけでなく「努力が認められる」実感を社員が持てるようになったことが一番大きな変化だと感じますね。制度の整備が、組織文化の変化にもつながっていると実感しています。
                    成長を“見える化”!学びを支えるタレントマネジメント
―制度改定の他に取組んだことはありますか?
F:社員一人ひとりの成長を支えるため、育成の仕組みづくりにも力を入れています。その代表的な取組みがタレントマネジメントです。どんな力を身につければキャリアにつながるのかを整理し、社員が自分の成長を“見える化”できる環境を整えました。
―具体的にはどのようなものでしょうか。
T:私たちが目指す「自律型人財」に求められる力を“7つの力”として整理し、それをさらに20のスキルと7つのマインドに細分化しました。
                    O:以前は「何を学べばよいのか」が分かりづらく、迷う人も多かったのですが、“7つの力”という共通の軸ができたことで、自分の強みや課題が見えやすくなり、主体的に学習計画を立てやすくなりました。
T:資格取得補助の対象もこれまでの10程度から90以上に拡充しました。英語、金融、システム系だけでなく、セキュリティや人事分野、UI/UXなど幅広い分野を対象にしていて社員の「学びたい」という意欲に応えられるようにしています。
O:e-learning(e-ラーニング)も全社員が利用できるように整えました。忙しい時期でも自分のペースで学べる環境ができています。最近では現場の部門が自分たちで動画教材をつくり、実務に即したノウハウを共有する文化も広がっています。会社から一方的に研修を与えるのではなく、現場から知識や経験が発信されるようになってきたのは、とてもいい流れだなと感じています。
                      人事部 人事グループ O
F:私たちが目指しているのは、学びを押しつけることではなく「学びたい人の学びを支援する」ことです。社員の自発的な学びを支え、キャリア自律を促すことが、このタレントマネジメントの本当の狙いです。
社員の声をカタチに。現場とつくる、セブン銀行だけのキャリア支援
―人事施策を設計するうえで大切にしていることを教えてください。
O:人事が机上で制度をつくるのではなく、社員の声を直接聞きながら進めることを大切にしています。20代・30代の社員を中心にヒアリングを行い、キャリアや働き方に対する悩みや期待を吸い上げて、施策に反映しています。
T:制度や仕組みは理屈だけで考えると、どうしても現実とズレが出やすいんですよね。だからこそ、社員が本当に求めていることを丁寧に拾い、形にしていくことが欠かせません。他社事例なども参考にはしますが、そのまま取り入れるのではなく、セブン銀行の文化や働き方に合ったやり方を見つけるようにしています。
                      人事部 人事グループ T
―こうした姿勢がキャリア形成支援につながっているのですね。
T:はい。社員が「自分のやりたいことを目指せる」状態をつくるのが、私たち人事の役割だと思っています。実際に施策をきっかけに成長してくれたり、「ありがとう」と声をかけてもらえたりすると、人事の仕事をやっていて良かったと心から感じます。
                    働きやすさと働きがいを両立し、価値創造の源泉へ
―人事としての今後の取組みについて教えてください。
F:これからは、全グループ長や40代以上の社員への面談の実施や、次期マネジメント層の育成にも取組む予定です。その際も現場の声を出発点に、課題を見極めながら必要な環境や仕組みを整えていきます。
―最終的に目指すのは、どのような組織の姿でしょうか?
F:社員一人ひとりの「働きがい」と「働きやすさ」を両立した組織になることです。
                    そのために制度や仕組みを整え、社員が成長し、前向きにキャリアを描ける環境をつくっていきたいと考えています。一つひとつの意見を丁寧に受け止め、課題を一つずつ解決していくことが組織の活性化につながります。一人ひとりが働きがいを実感できれば、自然と組織全体が活性化し、新しいアイデアや価値も生まれてくるはずです。
社員一人ひとりが挑戦し、その挑戦がお客さまへの新しい価値創造につながる組織を、人事としてこれからも育んでいきます。
                    ※記事内容は公開時点での情報となります。サービス等の最新情報はセブン銀行ホームページにてご確認ください。
                      
                      その想いを超え、日常のみらいへ。
                        セブン銀行は、あなたの毎日をもっと便利に、もっと快適に。
                      
          
      
        
      
      
        