2025.11.17
「日本に来たらセブン銀行」へ。外国人就労者を支える“新しい口座開設”
セブン銀行は、外国人就労者に向けた「セブン銀行口座開設(外国人就労者専用)情報連携サービス」において、外国人材管理ツール『dekisugi』を運営する株式会社グレッジと業務提携を開始しました。今回は、この取組みの背景や工夫について、株式会社グレッジの大谷さんと、バンキング統括部の宇野、浦田に話を聞きました。
目次
「dekisugi」連携で実現!来日直後からスムーズな口座開設
「dekisugi」は、株式会社グレッジが提供する外国人材管理ツールです。監理団体や支援機関、受入企業が、技能実習や特定技能で来日する外国人就労者の基本情報を一元的に登録・管理できます。2025年9月18日から始まった今回の連携により「dekisugi」の登録情報を活用してセブン銀行の口座開設の申込が可能となりました。来店不要、Webでの手続きのみで、最短2営業日で口座開設が完了します。これにより、日本で働く外国人の口座開設が格段にスムーズになり、新たな価値の提供につながっています。
- ※現時点では監理団体経由の技能実習生を対象に提供。今後、順次拡大を予定しています。
- ※申込内容によってはお時間をいただく場合がございます。
来日する人にも支える人にも。“口座開設の手間”を解決したい
―今回の業務提携に至った背景を教えてください。
浦田:セブン銀行ではこれまで、外国人のお客さま向けに海外送金を中心とした事業を展開してきました。2024年4月には「外国人ビジネス推進グループ」を立ち上げ、サービスのさらなる拡充を進める中で、グレッジさんとの協業が有力な選択肢となったため、当社からご提案しました。
バンキング統括部 外国人ビジネス推進グループ 浦田 宰我
―当時課題となっていたのはどんな点でしたか?
大谷:技能実習制度では、実習生と受入企業の間に立って入国手続きや支援を行う「監理団体」という組織があります。その業務内容は非常に幅広く、入国後の生活基盤を整えるための事務、たとえば銀行口座の開設などは書類準備や窓口での手続きなど、煩雑で時間がかかることが課題となっています。外国人就労者の増加に伴い支援対象も増える中、私たちはその負担を少しでも軽減したいと考えていました。
株式会社グレッジ 代表取締役 大谷 康仁さん
浦田:当社でも外国人の方の口座開設手続きの課題は認識していました。まずはそこを解決したいという想いがあり、その点でグレッジさんと方向性が一致しました。
―数ある金融機関の中で、セブン銀行をパートナーに選んだのはなぜですか?
大谷:複数の金融機関からお声がけいただいていましたが、セブン銀行を選んだ決め手は知名度や安心感に加え、全国28,000台以上という圧倒的なATMネットワークです。地方にも多く存在する監理団体や支援機関にとって、全国どこでも利用しやすい環境は大きな魅力だと感じました。
―この連携によって、どのような価値を生み出せると考えていますか?
浦田:外国人のお客さまが金融機関の窓口で口座開設をする際は、多言語対応や在留資格の確認などで時間や手間がかかり、対応人数や時間に制限が設けられることもありました。今回の取組みではWebのみで完結できる仕組みによって、金融機関と利用者双方の負担を大きく軽減できる点に意義があると考えています。
大谷:スムーズな口座開設が実現すれば、監理団体や支援機関は実習生からの信頼を得やすくなり、空いた時間をよりコミュニケーションが必要な支援などに充てることができます。結果として、現場全体がより良い循環で回ると感じています。
非対面・最短2営業日!dekisugi連携が変える口座開設の常識
―システム開発や運用面では、どのような工夫をされたのでしょうか?
バンキング統括部 外国人ビジネス推進グループ 宇野 紘司
宇野:サービスの肝は、口座番号と支店番号を早期に確認できる仕組みです。従来はキャッシュカードが届くまで確認することができませんが、最短2営業日で先行通知できるようになりました。これにより、監理団体や支援機関は給与振込情報を配属先企業に早めに伝えられますし、実習生も通信費などの決済用口座として登録できます。
浦田:開発の前段階では、監理団体や支援機関へのヒアリングを重ね、「現場で何が求められているのか」を把握したうえで、必要な機能を優先的に実装していきました。例えば、口座情報をCSVで一括出力できるようにするなど、実務での使いやすさにもこだわっています。
―プロジェクトを進めるにあたって、苦労した点を教えてください。
宇野:監理団体などを通じて、その先にいらっしゃる外国人就労者の方々に口座開設を提供する、いわゆる「B to B to C」という形での提供は、当社の口座事業として初めての挑戦でした。情報セキュリティやリスク管理の観点など安全性の確保は特に重要なテーマでした。
大谷:率先してシステム開発を進めてくださったことで、当社は口座開設に必要なデータ連携部分の整備に注力できました。毎週のように進捗を共有し、両社で力を合わせたからこそ、困難も乗り越えられたと感じています。
―リリース後の反応はいかがでしたか?
浦田:リリース当日に、監理団体からサービスの申込みがありました。営業をスタートする前から申込みをいただき非常に驚きました。同時にそれだけニーズがあることを感じホッとする気持ちもありました。
大谷:当社にも、監理団体からのお問合わせが複数ありました。「大手と連携されたんですね」といった声も多く「dekisugi」自体の信頼感向上にもつながっていると感じます。
口座開設のその先へ。外国人就労者の未来を支える挑戦
―今後の展望について教えてください。
大谷:今回のサービスを起点に、金融にとどまらず日本で直面する不便や不安をさらに解消していきたいと考えています。親会社である株式会社グローバルトラストネットワークス(GTN)では、多言語サポートやモバイルSIM、住宅保証といったサービスも展開しています。今後はそうしたサービスとも連携し、日本でより快適に暮らせるようにサポートしていきたいです。
浦田:まずは「dekisugi」との連携を、監理団体や支援機関の声を聞きながら改善・拡充していきます。今は技能実習生が対象ですが、今後は特定技能人材など幅広い方々に安心して口座を届けられるようにしていきたいです。
「便利で使いやすい」と感じてもらえれば、帰国後に母国の友人や後輩へ自然に「セブン銀行」の魅力が伝わると考えています。こうした地道な積み重ねによって、「日本に来たらセブン銀行」という世界観を当たり前にしていきたいです。
宇野:口座開設はあくまで「入り口」です。ここで終わらず、その先の金融ニーズにも応えていくことが私たちの使命だと考えています。現状、外国人向けの金融商品はまだ少ないですが、将来的にはローンや資産運用など幅広いサービスを提供することで、日本での生活全体を支えていきたいと考えています。
誰もが安心して金融サービスを利用できる環境を整えることは、金融インフラを担う私たちの社会的責任でもあります。その責任を果たし、より良い未来を築いていきたいです。
※記事内容は公開時点での情報となります。サービス等の最新情報はセブン銀行ホームページにてご確認ください。
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