2026.02.16
自治体DXの先進事例!豊田市×セブン銀行が『ATM口座振替登録』で手続きを便利に
2025年10月、愛知県豊田市は全国の自治体で初めて、セブン銀行ATMで税金の口座振替申込みを行える『ATM口座振替登録サービス』を導入しました。身近なセブン銀行ATMで、最短1分で口座振替の登録ができるこのサービスの導入により、市民の方々にも、自治体職員にも負担であった煩雑な手続きの軽減を図ります。
この導入の背景には、市民の利便性向上と、自治体が抱える根深い課題解決への強い意志がありました。今回は、本施策の舞台裏や現場での工夫について、担当者に話を聞きました。
目次
「夜10時まで続く不備対応」からの脱却。全国初に踏み切った理由
―本サービス導入前、豊田市ではどのような課題を抱えていましたか。
豊田市役所 導入担当・鈴木さん(以下、鈴木):豊田市では、以前から税金の納入方法として口座振替を推奨してきましたが、納付忘れや納付書の再発行に関するお問合わせが非常に多く、市役所の対応負担が大きくなっていました。従来の口座振替の手続きは紙での申請が前提で、直筆記入・押印・郵送といった手間がかかっていたことも、市民の方々にとっても負担になっていたと思います。
豊田市役所 市民部 債権管理課 主査 鈴木 満明さん
―紙の手続きは、職員の業務にどのような影響を与えていましたか。
鈴木:最も深刻だったのは、振替依頼書類の不備対応です。提出された申込書を一つひとつ目視で確認し、不備があれば市民の方へ電話連絡をしていたのですが、日中はつながらないことが多く、夜の7時ごろまで電話をかけ続けることもありました。そこからさらに不備確認などの事務作業を進めると、夜の10時を過ぎることも珍しくありませんでした。
また「どの印鑑が銀行印か分からず、とりあえず押して送ったら不備で返ってきた。もう面倒だからいいや」と途中で諦めてしまう声もあり、なんとか解決したいと感じていました。
―セブン銀行とタッグを組むことになったきっかけを教えてください。
鈴木:展示会のブースで、ATMで口座振替登録ができるサービスを知り、「これなら課題を解決できるかもしれない」と感じて、相談させていただいたのが始まりです。
市民の方々にとっては、銀行や市役所に行かなくても、近所のコンビニで24時間手続きができるし、紙書類の記入も不要。しかも最短1分で手続きが終わるので、時短にもなる。市にとっては、紙の管理や不備対応といった申請に伴う膨大なバックオフィス業務を削減できる。双方に明確なメリットを感じました。
―導入決定までにはどれくらいの期間がかかりましたか。
鈴木:展示会でサービスを知ったのが6月末で、問い合わせをしたのが7月上旬でした。そこから検討を進め、導入に向けた合意形成までにかかった期間は1〜2カ月ですね。異例のスピードでした。
実は当時、すでに年度の予算要求の事前調査は終わっており、ほかにも大きな案件を抱えていたため、新しいことを始めるには厳しいタイミングでした。しかし、導入すれば自治体初の画期的なサービスであり、常に新しい価値を追求し、チャレンジし続ける豊田市として、「今、このタイミングでやる意味がある」という考えに至ったのです。「他自治体の成功事例を待つのではなく、自分たちが先陣を切ることに意味がある」と、上司や市長を説得しました。
セブン銀行 導入担当・片桐(以下、片桐):時間が限られていましたが、鈴木さんの熱意に応えるため、スピード感を重視しました。当社としてもリリースしたばかりのサービスを、先進さで有名な豊田市さまに導入いただけるかもしれない、ということで非常に力を入れた案件でしたね。
ATM+企画部 主任調査役 片桐 倫和
鈴木:「豊田市内のセブン銀行ATMを地図にまとめて欲しい」「操作イメージを動画にして欲しい」など、かなり無茶をお願いした部分もあったのですが(笑)、片桐さんの熱量とスピード感のある対応のおかげで実現できました。
「窓口に行かなくていい」「業務が減った」。市民と職員からの嬉しい反響
―サービス開始後、どのような反響がありましたか?
鈴木:市民の方からは、「印鑑を探す手間が省けたので助かる」「家の近くにコンビニがあるからいつでも行ける」といったポジティブな声をいただけています。
また、「全国初」「異例のスピード導入」というインパクトもあり、多くのメディアに取り上げていただけたことは、非常に嬉しかったですね。市のプロモーションという意味でも大きな効果を発揮できたと思っています。
発表後、ほかの自治体さまからも問い合わせが殺到し、実は今でも毎日3〜4件のペースで情報交換を行っています。
―業務の中では、どのようなメリットを感じていますか?
鈴木:この仕組みを介した口座申込に関しては、処理に伴う業務負担が大幅に改善されたと感じています。
申請書の配布・回収・目視による記入内容の確認、金融機関への郵送、そして原本の保管や管理にかかる一連の業務負担も減り、職員が本来向き合うべき業務に時間を割けるようになりました。もちろん、ペーパーレス化にもつながっています。
ATMを行政の新たなチャネルへ。社会インフラとして新しい価値を広げていく
―今回の取組みを経て、今後注力していきたいことはありますか。
鈴木:この取組みを通して、手続きの方法一つで、市民の利便性と職員の働き方が大きく変わることを実感しました。将来的には、口座振替登録の申込みをすべて電子化したいと考えています。
電子化によって納付書の紙代や郵送代といったコストを削減できれば、その分の財源を別のサービスに還元できます。さらに業務効率化によって生まれた時間で、データをもとに課題分析したり、新しいサービスを検討したりといった、本来やるべき仕事に充てることもでき、結果として市民の皆さんの生活をより良くすることにつなげられると思っています。市と市民の方々が協力しあいながら、ワクワクする企画をたくさん発信できる豊田市にできたらいいな、と思います。
片桐:セブン銀行では、ATMを現金の出し入れだけでなく、さまざまな手続きを支える社会インフラとして進化させたいと考えています。口座振替登録に限らず、行政手続きの中には、ATMで対応できるものがまだまだあるはずです。
今回の豊田市さまとの事例は、ATMが行政窓口の補完、あるいは代替になり得ることを証明しました。例えば、豊田市さまからの要望を受けて「税目を一つずつ選べる機能」を実装するなど、力を合わせて工夫しながら、より良いサービスを作ることができたと実感しています。
これからも自治体と市民、金融機関、どの立場から見てもメリットのある仕組みを、社会に広げていきたいと考えています。
【サービス概要】最短1分で登録完了、『ATM口座振替登録』とは?
豊田市が導入した「ATM口座振替登録」サービスは、セブン銀行ATMを使って、税金の口座振替登録を行える仕組みです。最大の特徴は、申込書の記入や銀行印の押印は一切不要なこと。キャッシュカードと暗証番号があれば、その場で完結します。
手続きはシンプルです。市が配布するチラシなどに掲載されたQRコード※をATMで読み取り、必要事項を確認。その後、キャッシュカードを挿入し、暗証番号を入力します。ATMの操作に慣れている人なら、最短1分程度で登録が完了します。
セブン銀行ATMは、原則24時間365日利用できるため、仕事帰りや買い物のついでに手続きが可能です。平日の日中に時間を作って市役所や金融機関へ行く必要はありません。
対象となる税目(税金の種類)も、市県民税、固定資産税、軽自動車税、国民健康保険税と幅広く、対応する金融機関も複数あるので、普段利用している金融機関のキャッシュカードでそのまま手続きできるケースもあります。

豊田市役所 市民部 債権管理課 主査
鈴木 満明 さん
平成25年度豊田市役所入庁。交通政策課を経て、令和2年度より債権管理課に異動し、現在に至る。
現場主義の業務改善を推進し、10年間で約7億円のコスト削減を達成。2025年に『地方公務員が本当にすごい!と思う地方公務員アワード』を受賞した。現在は「市民と職員、双方の負担軽減」を掲げ、全国初となるATMを活用した行政チャネルの拡大など、自治体DXの新たな形を追求している。

株式会社セブン銀行 ATM+企画部 主任調査役
片桐 倫和 さん
セブン銀行にてデビットカード、スマホアプリ(通帳アプリ、Myセブン銀行)、海外送金新サービスの立ち上げ・開発に従事。令和4年度より+Connect事業に参画し、現在に至る。
取材協力

レストラン ル・ミュゼ(味遊是)
豊田市美術館内にあるレストラン。
名古屋の「仏蘭西料理 壺中天」の姉妹店。
美術館のテラスや大池、そして市街地を一望できる美術館のおすすめ絶景スポットです。展覧会観覧後のひとときにぜひ。
住所:愛知県豊田市小坂本町8丁目5番地1
営業時間:10時00分〜17時30分(最終受付17時00分)
定休日:美術館休館日(毎週月曜日(祝日は除く)、年末・年始)
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※記事内容は公開時点での情報となります。サービス等の最新情報はセブン銀行ホームページにてご確認ください。
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