2026.6.1
初挑戦で「DX銘柄2026」に選定!セブン銀行のDX推進を支えた舞台裏と、ATMが描く未来
2026年4月10日、セブン銀行は経済産業省・東京証券取引所が共同で選定する「DX銘柄2026」に初選定されました。2026年に選定を受けたのは、東京証券取引所に上場する全企業のうちわずか30社のみでした。今回、当社が初めての応募に踏みきったのは、「確実な勝算があった」からではありません。「自分たちが進めてきた数々の取組みが、社会からどう見えるのか確認したい」そんな想いから始まった挑戦でした。
本記事では、プロジェクトを中心となって進めたメンバー2人が、準備の舞台裏から選定の瞬間の様子、そしてATMの未来像を語ります。
目次
DX銘柄とは?セブン銀行はなぜ「DX銘柄2026」に選ばれたのか
「DX銘柄」とは、東京証券取引所に上場している企業の中から、デジタル技術を活用して企業価値の向上につながるDX推進に取組んでいる企業を、経済産業省と東京証券取引所が共同で選定する制度です。
評価の対象となるのは、単なるIT化やデジタルツールの導入ではなく、デジタル技術を前提にビジネスモデルの変革や、組織そのものの変革にあります。
―セブン銀行がDX銘柄に選ばれた理由
今回、当社がDX銘柄に選定されたのは、次のような取組みが評価いただいたためです。
ATMの「社会インフラ化」
ATMを現金引出機から、金融・行政・生活サービスをつなぐ総合的な窓口へと再定義。キャッシュレス化を機会と捉え、デジタルとリアルをつなぐ接点として役割を拡張した点
事業成果と社会課題解決の「両立」
ATM取引データを活用したAIによる現金需要予測で、コスト削減と業務効率化を実現。現金輸送の最適化によってCO2削減につなげるなど、社会的な価値も創出した点
リアルな接点を活かした「新たなビジネスモデル」
ATMをデジタル社会のハブとする『+Connect(プラスコネクト)』事業を推進。顔認証での取引や各種手続きの完結など、独自のB2B2Cモデルを確立した点
全社員参加型の「DX文化」と推進体制
経営直下に専門部署を置き、迅速な意思決定を可能にしたほか、市民開発研修などを通じて、DXを全社的な取組みとして定着させた点
こうした「経営・現場・社会貢献」が三位一体となった取組みが総合的に評価され、「DX銘柄2026」への選定につながりました。
「まずは挑戦してみよう」前例のない中で掴んだ快挙と、その舞台裏
―今回、このタイミングでDX銘柄に挑戦しようと思ったきっかけを教えてください。
竹田: 私は2024年7月にセブン銀行に入社しましたが、最初に感じたのは「新しい取組みに対する判断が早く、挑戦を前向きにとらえる文化がある」ということでした。社長である松橋のリーダーシップのもと、DXも単なる個別施策ではなく、経営や事業の中核として力強く進められている。「当社が取組んできたことなら、DX銘柄を狙えるのではないか」と感じたのが出発点でした。
セブン・ラボ部長 竹田 達哉
―初めての挑戦で選ばれる自信はありましたか?
竹田:正直、一度で取れるとは思っていませんでした。長期戦になるだろうなと想定しつつ、「まずは出してみよう」というチャレンジ精神で臨んだところ、結果的に初挑戦で選定という結果につながりました。知らせを聞いた瞬間は思わず飛び上がってガッツポーズしました(笑)。「挑戦する」という当社のカルチャーを体現できたことが、何より嬉しかったです。
峰尾:私はちょうど外出中で、竹田が飛び上がった場にはいられなかったのですが(笑)、チャットで「取れたぞ」という連絡を受けて、周りに人がたくさんいる中で思わず声を上げてしまいました。当社が積み重ねてきたDXの取組みが対外的に評価されたことに、率直な喜びを覚えました。
―準備期間はどのくらいかかったのでしょうか。
峰尾:2025年4月に竹田から「当社のDX推進をもっと大々的に発信していくべきだ」という話をもらい、動き出しました。応募の前提となる「DX認定※」の取得から始め、秋に認定取得、そこから一気に銘柄申請の準備を進めて12月下旬に提出と、足掛け約9カ月のプロジェクトになりました。
- ※経済産業省が定める基準を満たし、「DX推進の準備が整っている」と国から認定を受ける制度。「DX銘柄」に選ばれるには、まずこの認定を取得することが必須要件となります。
セブン・ラボ 峰尾 光軌
―特に苦労されたのはどんなところですか。
峰尾:応募にあたり、現場の施策やIT基盤、AIの活用状況などを全社から集めてまとめる必要がありましたが、そのこと自体は難しくありませんでした。当社は経営層と現場の距離が近く、一人ひとりが経営方針を理解した上で同じ方向を向いてDXを進めているからです。
ただ、「どう表現すれば、評価委員の方々に私たちの真の価値が伝わるのか」には非常に苦労しました。初めての挑戦で正解がわからない中、過去に公表している資料などをベースに、部内や広報担当とも何度も表現を練り直しました。
竹田:社内では当たり前になっている業務や施策が多いため、「本当にこれが対外的に評価されるDXなのか」を客観的に見極めるのが難しかったですね。
ATM事業×DXが生む新たな価値。DX銘柄選定がもたらした社内外の変化
―DX銘柄に選ばれたことで、どのような変化を感じていますか。
竹田:まず、社内への影響として大きいのは、「私たちが進めてきた方向性は間違っていなかった」という安心感と自信が生まれたことです。今後さらに変革を進めていくうえで、この「DX銘柄」という客観的な評価が、社員が次の挑戦に向かうための強い後押しになるはずです。
また対外的にも、これまで「現金を扱うアナログな会社」というイメージを持たれがちだった国内外の投資家の方々へ向けて、「リアルとデジタルを高度に融合させるDX企業である」という新しい切り口で、より深い対話ができるようになると考えています。
―世の中がキャッシュレス化やスマホ完結へと進む中、セブン銀行があえて「ATM」というリアルな接点を持っている意義について、あらためてお聞かせください。
峰尾:世の中が急速にデジタル化し、オンラインで完結するサービスが増えれば増えるほど、実はリアルな場所に「人が存在する」ことの価値は高まっていきます。 なりすましやフェイク情報が社会課題となる時代において、実際に本人がATMの前に立っているという事実は、本人確認におけるゆるぎない信頼の証しになります。これはデジタル空間だけで完結するサービスには真似できない、リアルな接点を持つ当社ならではの強みです。
目指すのは「社会でもっともやさしいデジタルチャネル」。セブン銀行が描く未来予測図
―今後、ATMはどのように進化していくのでしょうか。
峰尾:行政手続きや民間サービスも含めて、「ATMに行けば大体なんでもできる」という状態にしていきたいですね。「現金を出し入れする機械」という枠を超えて、日々の生活をもっと便利にする身近なプラットフォームを目指しています。
竹田:5年後、10年後には、もしかすると「ATM」という名前すら変わっているかもしれませんね。現在、セブン銀行のATMは全国に28,000台以上あり、これからも増えていく想定です。この日本中に張り巡らされたリアルのネットワーク網が、将来的にデータ処理や情報連携を担う拠点になる。そんな未来も来るかもしれません。
竹田: 実際、現在のATMの中にはすでに地震計などのセンサーも内蔵されています。将来は、誰もが迷わず安心して使えるデジタルチャネルとして、万が一の災害時にも機能する「最後のとりで」のような役割も担っていく。私たちのATMは「人が操作する機械」から、「社会の裏側を静かに支える存在」へと、姿を変えていける可能性があると思っています。
―最後に、この記事を読む皆さんと、社員の皆さんにもメッセージをお願いします。
峰尾:今回の選定は、何か特別な施策の結果ではなく、長年のIT基盤整備や現場での改善など、社員全員の努力が実を結んだ結果だと受け止めています。マイナンバーカードを使った健康保険証の利用登録など、セブン銀行はATMを金融・行政・生活サービスをつなぐ社会インフラとして再定義してきました。「困ったらATMへ行けばいい」と思っていただける存在を目指し、操作のしやすさも大切にしながら、今後も一番身近なデジタルチャネルであり続けたいですね。
竹田:この選定は、当社の25年にわたるイノベーションのあゆみが公に認められた証しです。ただ、今回の選定はゴールではなく、一つの通過点だと考えています。社会やお客さまの変化に向き合い、「セブン銀行としてどんな価値を提供し続けるのか」を問い続ける姿勢そのものが、これからのDXだと思っています。
※記事内容は公開時点での情報となります。サービス等の最新情報はセブン銀行ホームページにてご確認ください。
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