2026.5.15
給付金の受取り方が変わる!全国の自治体で拡大する、書類・口座不要の『ATM受取』
給付金やキャンペーンの当選金など、自治体や企業からの送金を、全国のセブン銀行ATMを通じて原則24時間365日いつでも現金や電子マネーで受取ることができる『ATM受取』。現在全国の自治体で着実に導入が広がっています。
今回は、本サービスを展開する株式会社セブン・ペイメントサービスの担当者に、導入の背景や現場で起きている変化、最新事例などについて話を聞きました。
目次
給付金の新しい受取り方とは?自治体で広がる『ATM受取』
『ATM受取』は、メールアドレスや携帯電話番号、住所のいずれか一つがあれば、口座情報不要で送金できるのが大きな特徴で、もともとはECサイトの返金などで活用されてきました。
セブン銀行ATMでの給付金受取り方法
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STEP1

ATM画面の【番号入力での取引】ボタンをタッチ
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STEP2

事前にメール、SMS、郵便等で通知された番号をATM画面の案内にしたがって入力
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STEP3

取引内容を確認のうえ、【確認】ボタンをタッチ。その後、画面の案内にしたがって、受取方法を選択し、取引金額を受取る
近年、この「口座を介さない」送金の仕組みを自治体の給付金支給に活用する事例が増えており、現在では30の市区町で導入されています。
『ATM受取』の利用用途
| 返金 |
・ECサイトでの商品返品による返金 ・イベント中止時の返金 ・機器故障時の返金 |
|---|---|
| キャッシュバック |
・キャッシュバックキャンペーン ・キャンペーンシステムへの商品追加 |
| 自治体の給付金 |
・出産・子育て関連の給付金 ・全世帯向けの給付金 ・自治体独自の給付金 |
| 経費・小口現金 |
・採用時等の交通費支払い ・小口現金送金 ・社員の経費精算 |
| 報酬・謝礼金 |
・アンケート/モニターへの謝礼 ・前払給与や業務委託費用 ・お祝い金の支払い |
| ポイント交換 |
・ポイント交換サイトでの換金 ・自社ポイント/マイル交換 |
―自治体での活用が広がった背景を教えてください。
渡邉:従来、自治体からの給付手続きは、住民側と自治体側の双方に大きな負担がかかっていました。
住民側は、届いた郵便物を確認し、口座情報の記入や通帳のコピーを用意して返送する手間がありました。
自治体側にとっても、膨大な書類の確認に加え、記入漏れやミスがあった際の「電話での聞き直し」や、振込エラー時の組み戻しといったイレギュラー対応に多大な労力を要します。
セブン・ペイメントサービス 営業部 渡邉 謙次郎
―給付金を届けるには、膨大な手間が必要なのですね。
渡邉:はい。加えて申請受付から会計、給付実行までに複数の部署をまたぐため、お金が手元に届くまで1カ月以上かかることも珍しくありません。本来すぐに支援を必要としている方へ迅速に届けられない点が大きな課題でした。
―そうした課題に対して『ATM受取』はどのような解決策になるのでしょうか。
渡邉:手続きが圧倒的にシンプルになります。書類のやり取りが減ることで住民と自治体双方の負担が軽減され、給付までの期間も大幅に短縮されます。さらに、セブン銀行ATMで受取りができることで、銀行口座を持たない方にも確実に給付を届けられるようになります。
―サービスとしての一番の強みは何だとお考えですか。
三浦:やはり、「口座情報が不要であること」ですね。本サービスはメールアドレスや携帯電話番号など、既存の連絡先情報があれば送金が可能です。自治体にとって負担の大きい口座情報の収集や管理業務そのものをなくせる点は大きいと思います。
また、住民の方がATM操作で困った際も、ATMに備え付けのインターホンから専用のコールセンターにつながり、そこで完結する運用を徹底しているため、ATMを設置している店舗の方に負担をかけることもありません。
セブン・ペイメントサービス 営業部長 三浦 雅寛
申請から受取りまでの人的コストを削減!新潟市×NRI「e-私書箱」×ATM受取が初連携
―直近の取組みについて教えてください。
渡邉:2026年4月から新潟市で、野村総合研究所(NRI)の『e-私書箱(※)』との連携が始まりました。
『ATM受取』単体で担えるのは、給付プロセス全体のうち、「送金」という一部の仕組みのみでした。今回『e-私書箱』と連携したことで、申請から給付の受取りまでを一気通貫で提供できるようになりました。
- ※自治体などからの通知や給付情報をオンラインで受取り、手続きを進められるサービス
渡邉:これまでも『ATM受取』によって給付までの期間は短縮できていましたが、審査のプロセスなどで、どうしても人の手を介さなければならないフェーズが残っていました。今回、マイナンバーカードを活用して行政と民間企業をセキュアにつなぐ送達サービスである『e-私書箱』と連携したことで、審査の工程を自動化できました。対象者の方が情報を登録・認証すれば、これまで以上にスピーディな受取りが可能になっています。
―新潟市で導入に至ったポイントを教えてください。
渡邉:マイナポータルに紐づけた「公金受取口座」の活用も選択肢にありますが、現状、登録率は人口の半分程度に留まっています。口座を持たない方にも確実かつ迅速に給付を届けられるという住民への配慮に加え、自治体側がその口座を使って給付を行うには監査項目が大幅に増えるなど、事務負担が非常に重いという実情もあり、公金口座だけに頼った給付は難しいのが現実です。
渡邉:『ATM受取』と『e-私書箱』との連携では、従来の口座振込と『ATM受取』の両方にスムーズに対応できる柔軟性を備えています。全住民を確実にカバーしつつ、自治体側の実務負荷を抑えられる点が大きな魅力となり、初導入に至りました。
全国30市区町へ拡大。自治体給付の「新しいスタンダード」を目指して
導入している30市区町(一部抜粋)
―各自治体で導入を進めるにあたり、ハードルはありましたか?
渡邉:「セブン銀行にお金を預けて住民へ送金する」という新しい仕組みへの不安から、最初は慎重な姿勢を示される自治体が多かったです。そこで、当社が「指定公金事務取扱者」としての認定を受けたり、法律やシステムの安全性を一つひとつ丁寧に説明したりすることで、不安を解消していきました。
導入実績が増えるにつれて信頼も広がり、10自治体を超えたあたりからは、便利な選択肢の一つとしてスムーズにお話を聞いていただけるようになったと感じています。
―実際に導入された自治体からは、どのような反響がありますか。
渡邉:職員の方からは、「口座確認のための残業や土日出勤がなくなった」と喜んでいただいています。
以前は、日中の窓口対応が終わった後、夜遅くまで口座などの確認作業が続き、それが大きな負担になっていた自治体もありました。仕組みの力で現場の業務負担を改善できたことは、サービスを提供する私たちとしても本当に嬉しいです。
―実際に利用された住民の方の反応はいかがでしょうか。
渡邉:「すぐに給付を受取れる」「手続きが簡単になった」という点を高く評価いただいていると担当の方から伺っています。
わざわざ通帳を探して口座情報を記入する手間がなくなり、役所の窓口などでその場ですぐに手続きを完結できるようになったため、「とにかく楽になった」と喜ばれるケースが増えています。
三浦:SNS上でもポジティブな投稿をたくさんいただいています。実際に利用されている方のリアルな喜びの声を目にすることは、私たちの大きな自信になりますし、何より日々のやりがいにもつながっています。
―さまざまな自治体と取組む中で、特に印象に残っている事例はありますか。
渡邉:生活保護の受取りに『ATM受取』を活用いただいた事例ですね。法律や制度上の制約が非常に厳しく、実現するまでに1〜2年ほど時間がかかりました。
自治体の担当者さまや当社の法務部門と何度も検討を重ねた末、最終的に給付までこぎつけられたことは、今でも深く心に残っています。
ATMは現金をおろす場所から「街の便利な窓口」へ。私たちが目指す未来
―現在未導入の自治体に対しても、今後どのようにこのサービスを広げていきたいですか。
渡邉:まずは『ATM受取』という便利なサービスがあることを、より多くの方に知っていただくことが第一歩だと思っています。
その上で、『e-私書箱』のように、すでに活用されているサービスと連携することで、給付金手続きにおける、当たり前の選択肢として定着する状態を目指していきたいです。
三浦:将来的には、給付金の受取りだけでなく、現在自治体の窓口で行っているさまざまな手続きを、ATMで代替できるようにしていきたいです。
自治体の人員不足が深刻化する中で、窓口業務の負担は今後さらに大きくなっていきます。その中で、ATMが業務の一部を担うことで、窓口での対応業務の負担が軽減され、同時に、住民の方にはよりスムーズに手続きできる環境をつくっていきたいです。
―今後の意気込みを教えてください。
三浦:パーパスにもある通り、今あるニーズに応えるだけでなく、まだ気づかれていない課題に先回りして寄り添っていくためにも、これまで以上にお客さまや自治体のリアルな声に耳を傾け続けていきたいです。
渡邉:自治体の中には、「今ある仕組みを変えるのは難しい」と諦めている方も少なくありません。だからこそ、私たちが新しい選択肢を提示し、より良い形を一緒に創り上げていけるパートナーでありたいと思っています。
ATMを通じて、少しでも日常が便利になるような仕組みを広げていきたいです。
※記事内容は公開時点での情報となります。サービス等の最新情報はセブン銀行ホームページにてご確認ください。
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